税金の納付ができなくなり滞納者の所有資産が調べられ差押えされることが多いですが、役所はどうのようにそれらを調べるのかというと、まず滞納者を呼び出し聞き取り調査の上で、資産をあぶりだします。どこの銀行のどこの支店に預金があるのかを「公共料金はどの銀行で自動振替していますか?」といった質問で誘導し確認します。滞納者居住住所の土地・建物の不動産登記簿謄本を取得することもあります。また、乗用車で来所した場合、駐車場まで見送りされ、しっかりとナンバーを記録されることもあります。軽自動車以外は陸運局に所有者情報開示請求を行い、その車の所有者が誰であるのかを確認できるのです。
さまざまな情報を確認して、役所側の考えているように納付されない場合、役所は差押えの手続きにはいります。
滞納者の所有不動産が差押えされた場合、任意売却ができなくなることがあります。これは担保の同時抹消・同時設定ができなくなるからで、その不動産を住宅ローンを組んで買おうとする人にとっては極めてハードルが高くなるがゆえなのです。
不動産を複数所有している滞納者の場合、自宅以外の不動産はわからないだろうと考える人もいますが、個人でも法人でも役所側は滞納者が申告をしている税務署に出向き確定申告書、決算書などを閲覧し所有不動産をわりだします。個人でアパート経営をしている場合などは確定申告の収支内訳表1、2でその不動産の場所のみならず賃貸料、賃貸人までわかってしまいます。
仮にそれらの作業で所有不動産がわからなくても、不動産登記簿の共同担保目録というものから所有不動産が判明することがあります。下記が共同担保目録で、借金の担保として、複数の土地建物に対して担保を設定することですが、
一つの不動産では担保価値が足りず、思った金額の融資してもらえない場合や、
同住所の土地、建物などに設定される担保のひとつのある方です。
下記でわかるように「・・・244」の土地・建物、「・・・147」の土地・建物に共同担保が設定されています。
この共同担保目録によって所有不動産と類推できる資産がわりだされ差押えの対象となるわけです。
もちろん、所有資産を他人からわからなくする方法もあります。たとえば、アパート経営をしている場合、法人所有にし、その借り入れも類推できないような金融機関として、その会社の代表者を妻にするなどです。
不動産のみならず、銀行取引も、テクニックはいりますが、住所地とは離れた銀行支店で口座をもつなども有効です。
税を滞納しないのが一番いいことなのですが、事業を維持しながら完納するためには知恵が必要となります。