menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

後継者

第23回 家憲のすすめ

欧米資産家に学ぶ二世教育

昔から家憲・家訓は日本人には馴染み深く、江戸時代に作られた三井家、
またキッ コーマン茂木家のものなどがつとに、よく知られている。
私自身小堀遠州の家訓について以前取材したことがあり、
400年前の知恵が現在にも生かされていることに感銘を受けたものである。


海外ではと言えば、ロックフェラー家の家訓は承知していたが、
西洋では一般的にこうした類はなじまないのかと思っていた。
ところが最近は世界の富裕層アドバイザーたちが
「家訓、或いはミッションステートメントの作成」をクライアントに対し盛んに呼びかけている。


前回ご紹介した大資産家の相続問題やファミリーガバナンス問題を幅広く扱う国際弁護士のバーバラ・ハウザー氏は
更に一歩すすめ、近著のなかで国の憲法に相当する家族の憲法、家憲の制定を勧めている。

家憲と言っても日本のそれよりずっと実務的かつ具体的である。
「家憲の作り方」について、彼女はまず、ファミ リーの意思決定機関を定める、侵すことができない個人の基本的な権利を
定める、不満、苦情の処理、ファミリー企業に入社・経営に参加する際の要件等について明確にすべきだと主張する。


非常に興味深いのはハウザー氏が併せて、改正の手続き、要件等を含めるよう促していることである。私も同意見である。
時代とともに変わる情勢に対応するのに、従来は家憲をその時代時代に合わせて解釈するという方法をとってきたが、
しかし激変の昨今それではあまりに無理があるように思える。
また改正の可能性をもたせることはそれぞれの世代がより家憲を強く意識しそれに従おうとするようになるのではないだろうか。


家憲は家長を含めたファミリー全員による遵守が前提とされる。
が、いったいワンマンで強大な権力をもつ家長が本当に従うだろうか。
この点についてハウザー氏来日の折夕食をともにしながら聞いてみた。
「彼らは権力を持っているだけにその乱用による重大な結果に気づいているのよ」と彼女。
実際、多くのファミ リービジネスがファミリーガバナンスの欠如から危機にさらされてきた。
家憲がそれを未然に防ぐ手立ての一つになってくれたらと願う。

 

榊原節子     

第22回 米、仏、サウジ、インド、日本での相続前のページ

第24回 後継者は人づくりから次のページ

JMCAおすすめ商品・サービスopen_in_new

関連記事

  1. 第92回 会社の規模は小さくても社会貢献

  2. 第9回 親側の教育 「第二の人生」成功の秘訣 目的意識を持つこと

  3. 第53回 日本の長寿企業―世界遺産登録?

最新の経営コラム

  1. 第138回 社員の手取りを増やす福利厚生費 その1(マイカー通勤手当)

  2. 第197回 予想市場

  3. 国のかたち、組織のかたち(89) 強大な相手と対峙する⑮(高句麗の対中国政策)

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. 社員教育・営業

    第73回「話の聞き方」(電話応対における聞き方)
  2. 社長業

    Vol.76 「志が最強の武器」
  3. 健康

    第125回 木賊温泉(福島県) 生まれたての湯に浸かる川床の共同湯
  4. 税務・会計

    第101回 中小企業における資金繰り管理の重要性
  5. キーワード

    第13回(不満の中にビジネス・シーズを見つける)「サロン・ド・サンク」
keyboard_arrow_up