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後継者

第34回 家族マターは全員一致

欧米資産家に学ぶ二世教育

 

遺言によって資産配分を定める。どう決めようと自由なのだが、末永く仲良く家族が共に助け合うように願うのであれば全員の納得が前提だ。そのためには生前に遺言の内容を明らかにし、相続人間の意見調整までしておく事が望ましい。

分割協議書、昨今可能になった相続税納税猶予制度の利用、いずれの場合も相続人全員の合意が必要となる。家族がバラバラ状態ではなかなか上手くいかない。ましてや互いにいがみ合っていたのではとても同意など覚束ない。だから日頃のコミュニケーションが大事で、たとえ何ら問題のない家族の場合でも、そのための時間と努力を惜しんではならないのだ。特に子供が独立し、それぞれの家庭を持った後の経験の共有、話し合いの場をどう確保するか一工夫、二工夫も欲しい。

 いちばん自然なのは、子供が小さい頃から家族会議を設け同席させる習慣をつけておくことである。小遣い、手伝い、家族旅行、誕生パーティー、車の購入などについて話し合いをする機会であり、親の仕事の話を聞く場、金銭教育の場として非常に有意義である。この家族会議を子供が成人しても継続できればと切に望む。特に家業を営んでいる場合そのニーズは一段と強い。家業に従事していない家族にその現況を知らせることは潜在的なサポーター養成にもなり、実は極めて有用なのである。

 こうした家族会議は家族の意見交換・投資会議へとつながり、やがてどう相続していくか、どう家族の伝統を守っていくか、孫への資産の継承、そんな話し合いの場に発展していく。となる。欧米の資産家は一族が結集して投資を行うこともあり、家族会議のみならず一族会議を設定し、子供も16歳くらいから参加が求められる。

 以前にも紹介した米国のファミリー企業(同族経営)の代表格としてよく挙げられるレアード・ノートン家、総計ファミリーメンバーは二家系で380にものぼり、うち130人は何らかの形で一族の会社で働いている。5代目にあたるレアード会長自身から話を伺う機会があった。「会社マター」の決定は所有する株式数に応じて重みづけるが、家族マターに関しては「一人一票」だと言う。ことファミリーに関しては会社とはまた別の取り扱いが必要なのである。

榊原節子

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