menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

戦略・戦術

第181号 21兆円

社長のための“儲かる通販”戦略視点

 この数字は、経産省が発表した「健康寿命伸長産業」の2020 年までの拡大目標である。
 
 経産省では、健康寿命伸長産業を①予防・健康維持 ②治療 ③介護・自立―の3 分野で構成しており、これらの合計を現状の11 兆円から、10 兆円上乗せした数値を掲げている。
 
 3 分野の中で一番大きなボリュームとなる②は、現状の9兆円から12 兆円へ、そして拡大余地の大きい①+③は、2 兆円から9 兆円へと大幅成長を想定している。
 
 また、3分野とも、医療行為や公的介護といった公的分野ではなく、保険外分野の市場拡大を見込んでいる。
 
 ①では予防・健康維持、サービス、関連機器といった運動指導や食事指導サービスなどが好例である。
 
 ②は一部の医薬品、再生医療、医療機器などで、次世代放射線治療機器、再生医療用細胞培養シートなど。
 
③は介護支援機器、生活支援サービスなどで、具体例としては、ロボット介護機器・配食・見守り・通院支援・家事代行などがあげられる。
 
 なお、②については、日本式医療の海外展開として、高額な医療サービスをイラクやロシア、カンボジアへ、パッケージ輸出していく予定である。
 
 この3 分野のうちで、通販業界と最も関わりが深いのは、健康食品を含む①の予防・健康維持だ。
 
 これは、安倍政権が進めている規制改革会議の中の健康食品に関する改革とリンクしており、公的保険外の新たな健康寿命伸長産業を創出・育成する目的と合致している。
 
 そもそも、予防・健康維持⇔治療⇔介護・自立という3 サイクルの確立と、公的保険に依存しない新たな健康寿命伸長産業を育成するための包括的な政策パッケージとなっている。
 
 生活習慣病にかかる費用を早期の予防・健康管理に対する投資へとシフトさせ、これにより、公的保険外の予防・健康管理サービス市場の創出、国民のQOL(生活の豊かさ)の向上、国民医療費の抑制を目指しているわけだ。
 
 ただ、関連規制に関するグレーゾーンの解消や、新製品・サービスの品質保証・情報共有の仕組みづくりなどが課題となっており、官民上げての取り組みが急がれている。
 
 このように政府は、予防領域の整備に向けて、ようやく本腰を入れて動き出している。今後、健康食品を含め、この公的保険外の予防領域について、どのように公的部門との連携と環境整備、そして支援の実現を推進していくのかー。
 
 安倍政権の舵取りに注目していきたい。
 
書籍 白川博司著 『通販成功マニュアル』 好評発売中
 
書籍 白川博司著 『中国通販成功マニュアル』 好評発売中

第180号 アマゾン革命前のページ

第182号 ビッグデータ共有による商品開発次のページ

関連記事

  1. 第258号 2,330社

  2. 第186号  宅配便の料金値上げの実態

  3. 第277号 スマホ時代にすべきこと

最新の経営コラム

  1. 第107回 書類のデジタル化で仕事を見える化し、効率化とミス削減を実現

  2. 国のかたち、組織のかたち(25) アテネ民主政の再生

  3. 第82回『最近言われるマイクロストレスを知り、生産性を上げる』~組織の生産性を落とさないための隠れストレスを経営者は知っておく~

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. 社員教育・営業

    第111回 コミュニケーション上手になる仕事の進め方32 社内における環境整備
  2. 人事・労務

    第54話 深夜残業を禁止し、早朝残業を充実させる試み
  3. 経済・株式・資産

    第106回「逆風下だからこそコスト競争力が威力を発揮する」やまみ
  4. 人間学・古典

    第59回 「始まりと終わり」
  5. マネジメント

    第80回 『顔を見る、顔を立てる』
keyboard_arrow_up