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後継者

第72回 ゴルフが教えてくれること

欧米資産家に学ぶ二世教育

マスターズを観戦にオーガスタへ行ってきた。雑草一つ生えておらず、フェアウェイはフカフカ。1番から18番までそれぞれのホールには花の名前がつけられており、同行のアトランタ出身の人が「世界遺産のようだ」と自慢するだけあって、濃淡のある緑一面の中、花あり、池ありで本当に素晴らしい。

一流選手のプレイは美しく感動を与える。特に心理戦といわれるゴルフである。彼等は技術に卓越しているだけでなく、自分との戦いを制してきた人でもある。プロにゴルフを教える人から「心理を利用した種々なテクニック」について聞いたことがある。具体的なイメージングの方法等々。アンカリングという手法もある。納得のいくスウィングやパットができたとき、たとえば耳に触るなどしてそのスイングと動作をリンクさせ、如何なるときでも耳をさわることでその気分を容易に思い出すことができるようにするのである。イチロー選手が打席でバットを前に突き出し、左手で右腕の袖を引っ張る仕草を毎回見せるが、あれも最高のパフォーマンスを引き出すためのアンカリングと言われている。

「ゴルフというゲームは、プレッシャーの恐怖とストレスに対処する術を知らなければ勝つことはできない」と、トム・ワトソンは日本経済新聞の「私の履歴書」の中で語っている。失敗を引きずらない、他の選手のスーパープレイにも動揺しない、プレッシャーのなかでも自分のゴルフができる、これらの自己コントロール術は分野が異なろうとすべて自分を磨くうえで、また経営者としての修練にも大いに役立つに違いない。ゴルフのプレイにはその人の性格や人格が如実にあらわれるから、人生の勉強の場ともなる。

私のホームコースでもファミリービジネスのオーナー、経営者が家族でゴルフを楽しんでいるのを見かける。事業継承にとって必須なのは何より円満な親子関係、「趣味の共有」が役立つ。また、年を取った親とのつきあいも、ゴルフという仲立ちがあれば自然に行えるのではないだろうか。                                                              ライフスタイルアドバイザー 榊原節子

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