このような行列は、2010年にハワイの朝食店がオープンして注目された頃から始まり、今では代表的メニューのパンケーキを食べに原宿に行くことが、10~20代の女性たちにとってファッションの一つとなっている。
私はこれらの店には必ず並んで前後の人と会話をしたり、並んでいる人達が話している内容を聴いたりしているが、話題の新しいお店に並んでパンケーキやエッグベネディクトなどを食べることは流行のTシャツやジーンズを買うことと同じ感覚のように感じた。
多くの日本人が行っている「ハワイ」もキーワードで、最近はパンケーキに限らず、コーヒー店でもハワイ系のオープンが増えている。
このような行列のできる店が原宿に多いのは、「原宿はファッションとして飲食を消費できる街」だからと分析されているが、行列している人を観察するとうなずける。
以下に最近オープンした行列店を紹介しておく。
■シナモンズレストラン(Cinnamon's Restaurant)
ハワイの雑誌「ホノルル・マガジン」主催のグルメ賞で、2年連続ベスト朝食賞を受賞したハワイ系朝食店で、日本一号店は表参道から路地を入った分かりにくい場所の、しかも地下1階に8月26日にオープンしたが、平日でも行列ができている。
ここのパンケーキは、4枚重ねの通常サイズに加え2枚重ねのハーフがあり、私はグァバシフォンケーキのハーフを食べてみたが、甘さも酸っぱさもちょうどよかった。
他にも30食限定のシナモンロール、エッグベネディクトなどを皆さんは食べていた。
■クリントン・ストリート・ベイキング 東京
8月23日に南青山の骨董通りにオープンした「クリントン・ストリート・ベイキング」は、ニューヨークマガジン誌で「ニューヨークNo.1のパンケーキ」とされ、NYでも行列ができているようだが、東京店も適度の行列ができている。
ここは朝8時からオープンしているので、本当に朝食を食べに行けるのがいいが、その代わり9月までは16時に閉店してしまう。(10月からは夜も営業する予定)
ここの一番人気はブルーベリーパンケーキ(1,500円)なので、私も食べてみたが、メープルシロップにバターを溶かしたメープルバターとフワフワの生地で美味しかった。
また、おみやげに買ったバターミルク・ビスケットやマフィンも大好評だった。
■リラックマ・カフェ
8月下旬~9月の原宿界隈で、一番長い行列ができていたのがサンエックスのキャラクター「リラックマ」の10周年記念で期間限定オープンしていた「リラックマ・カフェ」だ。
私は開店前の10時半から13時まで並んだが入れず断念し、夜の22時半に再度訪れ、30分並んでようやく入れたが、午前中に私と一緒に並んでいた人は、14時半頃の入店だったので実に4時間待ちで、リラックマの人気を再認識した。
ここではパンケーキではなく、リラックマを型どったオムライスやカフェラテが人気で、遅くなると売り切れになっていた。
「食のファッション化」は若い人だけの流行ではなく、当分この流れは続きそうだ。