
日本はコーヒー豆の消費量で見ると、1位アメリカ(2,204.4万袋)、2位ブラジル(1,957.3万袋)、3位ドイツ(946万袋)に次ぐ4位(701.5万袋)で、5位フランス(596.2万袋)、6位イタリア(568.9万袋)(以上(財)全日本コーヒー協会2011年のデータ)よりも多くなっているコーヒー消費大国だが、このところ「第3次コーヒーブーム」とも言われている。
第1次コーヒーブームは、ファッション誌で特集が組まれるなどおしゃれなカフェがブームになった1980年代後半、第2次コーヒーブームはアメリカから「スターバックス」を始めとしたシアトル系カフェが上陸し、カフェはオシャレな若者が集まる空間とされた1990年代終わりから2000年代頭で、この頃からエスプレッソをベースにしたラテやカプチーノが普及した。
今の第3次コーヒーブームの一つの流れは、マクドナルドの「プレミアムコーヒー」から始まり、昨年の日経MJヒット商品番付で横綱にもなった、コンビニの挽きたてドリップコーヒーなどによるボリュームゾーンでの品質向上だ。
この傾向は、今までの「インスタントコーヒー」という名称を「レギュラーソリュブルコーヒー」にネスレが変えて品質向上をアピールしたり、缶コーヒーでも恵比寿にある猿田彦珈琲が監修した「ジョージア ヨーロピアン」という、上質にこだわった商品が登場するなどと拡がりを見せている。
さらに、品質の高いコーヒーを提供するカフェや販売店が登場して話題になっており、「第3次コーヒーブーム」により日本のコーヒーはますます美味しくなりそうだ。
■新たなプレミアムコーヒー店
4月5日に南青山の通称骨董通りに、「パリで一番美味しいコーヒーが飲めるカフェ」と銘打った「クチュームカフェ(Coutume Cafe)」がオープンした。
まだ日本に3台しかないスチームパンクというコーヒー抽出器具を使ったコーヒー(380円~)などが飲め、テイクアウトもできるが、パリにあるホテル・ヴァンドーム、ビッグ・フェルナン、フィッシュなど80件にコーヒー豆を卸す焙煎会社が始めているだけに、土作りにこだわる農園と直接取引し、厳選したフルーティーな味わいが特徴のドリップで出してくれる「シングルオリジナルコーヒー」(450円)を店内でじっくり味わいたい店だ。
また銀座には、高品質コーヒー豆を取り扱う珈琲販売店「トリバコーヒー(TORIBA COFFEE~Boutique Coffee Roaster~)」もオープンした。
ここは、5種類のブレンドと自家農園から届くハワイコナの6種類のコーヒーをメインに、コーヒー豆の販売とテイスティング(1杯100円)スペースが1階にあり、毎日飲む手軽な値段のコーヒー豆から、ギフト商品、コーヒー道具などを販売している。
一般の人には開放していないが、2階には最適な焙煎でコーヒーを提供するための3台のロースターを設置し、焙煎されたコーヒーを専用小型エレベーターで1階に降ろしている。
3階は最新のエスプレッソマシーン(LA CIMBALI M100)や、コーヒーを淹れる研究のためのラボ、地下はコーヒーの生豆倉庫になっているとのことだ。
日本は消費総量では世界4位だが、1人あたりの年間消費量では、1位 ルクセンブルク(26.09kg)、2位 フィンランド(12.26kg)、3位 ノルウェー(9.69kg)、10位 イタリア(5.68kg)などに比べて3.31kgとまだまだ少ないため、「第3次コーヒーブーム」で、日本人のコーヒー消費は質・量ともに今後も伸びてゆく可能性がある。
◎高島健一先生のセミナー
「シリコンバレー視察」 2014年6月19日~26日
●クチュームカフェ(Coutume Cafe)
オープン:2014年4月5日
所在地:東京都港区南青山5-8-10
電話:03-6418-5325
営業時間:7:30~21:30
席数:37席
●トリバコーヒー(TORIBA COFFEE~Boutique Coffee Roaster~)
http://toriba-coffee.com
オープン:2014年4月26日
所在地:東京都中央区銀座7-8-13 Brown Place 1F
電話:03-6274-6611
営業時間:11:00~21:00