6月11日にオープンした「虎ノ門ヒルズ」は、マッカーサー道路などとも呼ばれた虎ノ門と新橋、汐留を結ぶ地下トンネル(環状2号線)の上に建つオフィス(6~35階、3万坪)、ホテル(47~52階、164室)、住宅(37~46階、172戸)、商業施設(1~4階、計1,300席)、会議施設(4~5階)などが入った複合施設で、東京では六本木にある東京ミッドタウンに次いで2番めに高い52階、247mの巨大ビルだ。
1階正面入口にはアニメ「ドラえもん」そっくりの「トラのもん」(藤子プロ・森ビル共同制作)のキャラクター人形があり、訪れた人が必ず記念写真を撮る人気スポットになっている。
1~4階の商業施設はほとんどが飲食店で、オープンカフェ風が多いが、連日大勢の人が来ているため、合計1,300席は満席状態が続いていて、既に東京の新名所になっている。
また、最上階がロビーの「パーソナルスタイル」を意味するヒンディ(インド)語の「Andaz」という名前のホテル「アンダーズ東京」は「Inspiring(刺激的)」、「Indigenous(地域に根ざした)」、「Unscripted(筋書きのない)」という3つの言葉に象徴される、地域文化を尊重し、その地域でしか生まれない心地よさを提供するハイアットグループの日本初進出ホテルだが、51階のメインダイニングは、7月末までランチ、ディナーの予約が一杯になっているほどの人気だ。
新鮮な日本の食材を生かしたヨーロッパ料理を提供するこのレストランの魅力は、遠くは富士山、筑波山、房総半島、近くは汐留、お台場、丸の内、皇居、スカイツリーなど都内各所がよく見える眺望で、料理とともに東京の景色も堪能できる。
■環状2号線
環状2号線の虎ノ門~新橋の区間は終戦直後から整備が計画されていたが、用地買収に難航し、工事・建設が遅れていた。
それが1989年(平成元年)、小泉内閣時代に土地の高度活用のため、道路法や都市計画法など関連する4つの法律が改正されたことで、道路の上に建物を建てることが可能になり、道路の一部を地下化する事で住民の同意が得られたため、建設が始まった。
今回は新橋までの開通だが、この後2020年の東京オリンピック施設が集まる晴海や豊洲まで延伸する予定となっており、将来は「オリンピック道路」と呼ばれるかも知れない。
また、虎ノ門ヒルズ~新橋区間(新虎通り)は地上には片側13mの幅広い歩道があり、ここを「道路占用許可の特例」という制度を使って、店舗やオープンカフェを設置していく予定(東京シャンゼリゼプロジェクト)なので、今後は虎ノ門ヒルズの外にも賑わいが広がって行きそうだ。