アジア大会では、東京オリンピックを念頭に置いた若い世代にも注目が集まっているが、選手は勿論のこと一般の人達もオリンピックに向かってムードが高まリ始めているようで、先日発表された来年の東京マラソンには30万5,000人が応募し、倍率は過去最高の10.7倍となった。
■スポーツ用品
世界のスポーツ用品メーカーの売上規模(2012年度)を見ると、1位のナイキ(米)が2兆5,000億円(営業利益3,250億円)、2位のアディダス(独)が2兆円弱(営業利益1,500億円)、3位のプーマ(独)が4,500億円(営業利益150億円)だが、次の4位には日本のトップメーカーであるアシックスの2,600億円(2013年3月期、営業利益187億円)が位置している。(国内ではミズノ1,636億円、デサント919億円が続いている)
アシックスは既に営業利益ではプーマを抜いているが、売上4,000億円以上とする中期計画目標を掲げ、プーマに追いつき追い越す意気込みだ。
アシックスは1964年の東京オリンピックの時に、多くの日本人、外国人選手にシューズを提供、「オニツカ」を履いた選手が金銀銅を合わせ47個のメダルを獲得して、世界的に知名度を獲得したという経験を持っており、2020年の東京オリンピックでもその再現を目指している。
日本でも皇居の周りを始め、至る所でランニングをする人の姿が見られるが、このようなランニングブームは世界的で、アシックスの場合でも、2013年4~9月期の連結売上高1,537億円の内、ランニングシューズは前年同期比30%近い伸びで787億円と半分以上を占めている。
■アンルート(EN ROUTE)
このような状況を見据え、ファッション業界でもユナイテッドアローズはファッションとスポーツを軸に編集した新しいライフスタイルブランド「EN ROUTE / アンルート」を立ちあげ、9月12日に東京オリンピックにより発展が期待される東銀座に1号店をオープンさせた。
この店は天井が6mと高いことを活かしたメゾネットタイプの2層構造で、2階にランニングステーションを併設したランニングウェア、1階にシティカジュアルウェアを配し、「ファッションとスポーツを同じセンスで楽しむ」を提案している。
「都会暮らしの生活を豊かにするものは、体を動かすこととオシャレ」と考えたこの展開は、ファッションとスポーツを結ぶ新しい切り口として注目している。