menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

戦略・戦術

第163号 17兆400億円

社長のための“儲かる通販”戦略視点

 この数字は、2011 年度のギフト市場規模である( 矢野経済研究所調査)。小売金額ベースで前年度比2.1%増となり、個人需要を中心に中元・歳暮市場が牽引したことで、ギフト市場全体はプラス成長となった。
 
 2011 年は東日本大震災があり、消費マインドが冷え込んだ年であったが、人とのつながりが再認識される中で、しばらく連絡を取っていなかった友人や知人、親類などに中元・歳暮を贈るなど、市場の33%を占める中元・歳暮需要が個人を中心に活発化したことが、少なからず影響したようだ。
 
 このギフト市場は、企業を中心とした「法人ギフト市場」と、個人向けの「パーソナルギフト市場」に分けられるが、そのうち、法人ギフト市場の規模は約6兆円程度となっている。
 
 最近は、景気の良し悪しに影響を受けやすい儀礼的な法人ギフトは、不景気や虚礼廃止などの理由から、需要は減少傾向にある。
 
 一方、パーソナルギフト市場は、結婚式の引出物や香典返し、中元・歳暮からバレンタインデー、入学・就職祝い、誕生日プレゼントなど、その機会は多種多様。こちらは、親しい人や大切な人とのコミュニケーションの一環として贈るプライベートギフトやカジュアルギフト需要が急速に伸びている。
 
 贈り方も儀礼的なのし紙つき包装などにこだわらず、リボンなどの簡易包装が選択されるなど、形式にこだわらない贈り方が一般的になりつつある。
 
 このような流れを受けて、ギフト商品を扱う企業は、中元・歳暮を「夏ギフト・冬ギフト」と表現するケースが増えている。個人対個人の贈り物は、儀礼的進物といったイメージの強い「中元・歳暮」ではなく、もっと気軽なプレゼントの機会として変化してきているわけだ。
 
 また、親しい個人間で贈るカジュアルギフトは、国内・海外のブランド商品、産直品、オリジナル商品など、贈る商品も多様化し、さらに最近では、こういったモノだけでなく、旅行やホテル宿泊券、お食事券、人間ドックといった「経験型」のサービスギフトが伸びている。
 
 つまり、パーソナルギフト市場においては、今までのような定番商品ではなく、ギフトの受け手の嗜好やニーズに合わせた、精神的満足感を提供できるモノ・コトが求められているのだ。
 
 このように、ギフト市場の需要と商品・サービス内容は、いま大きく変化している。今後は、いかにして贈る機会を提供するかに配慮した販促策が必要であり、通販各社は、市場を牽引していく分野として期待されるカジュアルギフトを中心に、消費者の新たなニーズを喚起していくことが急務だ。

第162号 通販利用が高まる、出産の内祝い前のページ

第164号 シニア世代のネット通販事情次のページ

関連記事

  1. 第217号 3900円+890円

  2. 第228号 1,700円

  3. 第242号 4万5,000店

最新の経営コラム

  1. フランスのド・ゴールは嫌われ者のリーダーシップを体現した「決断王者」である

  2. 第150回『日野晃武道語録 人生の達人になる!』(著:日野 晃)

  3. 第146話 銀行がチェックする取扱注意の勘定科目

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. マネジメント

    第二十話 商人は信用が一番だ(神田屋鞄製作所)
  2. マネジメント

    第88回 『私が出会ったメンター』
  3. 社長業

    第8回 社員が辞める職場
  4. 経済・株式・資産

    第86話 会社が破たんする原因は資産にある(15)
  5. 不動産

    第35回 「 ブランド沿線 」の「 ブランド駅 」に特化する方がリスクは少ない
keyboard_arrow_up