ピエール・マルコリーニ、ゴディバなどのチョコレートをはじめベルギーワッフル、ベルギービール、チーズなども有名で、アガサ・クリスティの小説「オリエント急行の殺人」などに出てくるベルギー出身の名探偵ポワロもグルメという設定になっている。
グルメ国ベルギーは、主食であるジャガイモの加工でも世界一、二位を争う大国で、スーパーには常に10種類以上のじゃがいもが並び、人々は5kg単位で買うのが普通という。
調理法はボイルドポテト、マッシュポテトやスライスして炒めたりするというが、中でもベルギーが発祥地のフリッツ(フリット、フリテン)と呼ばれるジャガイモを細長く切って油で揚げる料理は特別で、フリッツ専門店が国内に5,500店舗ある。
西部のフランダース(Flanders)地方から声が上がり、今年はベルギー政府が、国民食として愛されているフリッツを国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界文化遺産として申請する予定だ。
■POMMES PROST(ポム・プロスト)
このようなフリッツの盛り上がりを受けて、日本でも本場仕込みのフリッツが食べられる店が増えているが、代官山にあるテイクアウト店「POMMES PROST」は、昨年12月にラフォーレ原宿前で期間限定で出店し、多くの人にフリッツのおいしさをアピールした。
ここのフリッツはミディアムサイズが450円、ラージサイズが600円の2種類で、明太子マヨネーズ、わさびマヨネーズ、グリーンカレーなど全16種類のソースを選べる。
フリッツは日本でファーストフードなどで添えられているフライドポテトとは違い、太く(12ミリの太さが基本)身がしっかりしていて、ジャガイモの味も濃厚で、マヨネーズをかけるのが一般的だ。
一昨年12月に広尾商店街にオープンした「アンド・ザ・フリット」も、本場のフリッツが食べられるお店として週末などは行列ができているが、ここもベルギー産や日本産など6種類ジャガイモが常時10種類が揃っていて、ディップを選んでできたてを食べることができる。
ここではビンチェという品種の黄色くてうま味が強く、崩れにくいジャガイモを160度くらいでじっくり揚げ、食べる直前にもう一度170度で3分ほど揚げるが、この2度揚げにより外はカリッと、中はホクホクになるとのことだ。
世界遺産登録も話題となっており、日本でもフリッツ人気は今後とも高まりそうだ。