24時間営業の無人書店
1998年には2万2,000件あった書店は毎年3〜5%減り続け、2020年には1万1,000件と半減、この10年でも30%減少し、全国1,741市区町村のうち456(26%)が書店のない市町村となっている。
これは人口減少、ネット通販や電子書籍の普及などによるもので、出版販売額は電子書籍コミックが好調なため、2018年の1兆5,400億円を底に持ち直し、このところは前年比プラスが続いているが、紙の書籍市場は毎年減少しピークの半分以下だ。
このような状況に対処するために、書籍取次のトーハンは、昼間は有人の通常の書店、夜は無人となる24時間営業書店の実証実験を、3月20日から7月31日まで行っている。
実証実験は東京・東急世田谷線の松陰神社前駅近くにある山下書店世田谷店で行なわれており、開始から2カ月が経過した時点の売上は前年比110%を超え、成果が出ている。
この書店は10〜19時は店員がいる通常の書店として営業、普通なら閉店となる19〜翌10時までを無人店とし、レジは完全キャッシュレスとなっている。
入店は店舗前のディスプレイに掲載されている二次元コードをLINEアプリで読み取り、友だち登録すると自動ドアが開く仕組みで、LINEを使っている人は簡単にできる。
本を買うのもスーパーなどのセルフレジを使っている人にとっては簡単で、会計、購買履歴情報もLINEで確認できる。
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