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愛読者通信

「コロナ禍の大ピンチをチャンスに変えるヒントは『ランチェスター戦略』の中にある」
福永雅文氏(戦国マーケティング 代表)

「愛読者通信」著者インタビュー

 コロナ禍で経済活動が停滞するなか、業績悪化に苦しむ企業は今後さらに増えていく。しかし、こうした経済環境の変化にいちいち弱音を吐いていては、社長失格である。どんな社会になったとしても、会社を守り、社員を守り、発展させていくのが社長としての責務である。
 そんな中、「ランチェスター戦略を学べば、コロナのピンチをチャンスに変えるヒントが見つかる」と『小が大に勝つ逆転経営』の著者、福永雅文氏は言う。そこで、話をお伺いしました。

■著者/福永雅文(ふくなが まさふみ)氏
戦国マーケティング 代表取締役/ランチェスター戦略コンサルタント/ランチェスター協会常任理事

小が大に勝つ「弱者逆転」を使命とし、企業の営業・販売戦略を経営相談、コンサルティング、研修で支援。2005年よりランチェスター協会の研修部長として普及活動に尽力し、後進のインストラクターも多数養成している。
著書に『小が大に勝つ逆転経営』(日本経営合理化協会刊)など、CD教材として「ランチェスター戦略・シェアUPマニュアル」「ランチェスター戦略の実務」(共に日本経営合理化協会刊)など多数ある。

 

Q:コロナ禍で、売上が落ちてしまいました。ランチェスター戦略を導入すれば、コロナを乗り越えられるでしょうか?

 さすがになんでも効く万能特効薬ではないので、漠然と「売上が減って困ってる」というだけでは、解決のアイデアは出てきません。
 ランチェスター戦略は物事を細分化して考えることを重視しています。つまり、売上が減っているのか、利益が減っているのか、どちらかなのか。どの商品が減っているのか、増えているものはあるのか。商品、地域、販売チャネル、顧客層、主要顧客の売上…さまざまな視点で物事を細分化して捉えると、どこに真の課題があるのか見えてきます。
 その上で、戦いに勝つための原理原則をおさえながら、時流に適応したことをやっていくことによって、企業の存続率、サバイバルできる割合は高まっていきます。
 いま、ピンチの会社も大変多いと思うのですが、この大ピンチを大チャンスに変えていくヒントやアイデアは、ランチェスター戦略の中にいろいろあります。
 あきらめずに勉強し、自社に取り入れて危機を突破して下さい。

 

Q:昭和の古い手法というイメージがあります。デジタル時代、コロナ時代の今でも使えるのでしょうか?

 経営というのは不易流行と考えています。変わらない原理原則と、時流に適応して変わっていくことの両極を併せ持つことが大事です。ランチェスター戦略はその両極を併せ持っているので、業歴50年、100年の老舗企業から新興企業、ネットベンチャーまで、規模・業歴・業種・業態を問わず、使うことができ効果を発揮します。
 ここ20年をみても、○○法や△△分析、□□戦略など、たくさんの経営手法が、最新のマネジメント手法として紹介されましたが、その中で、いまでも残っているのはいくつあるでしょうか。
 そう考えると「古い」と言われるほど長く使用されているランチェスター戦略は、淘汰されず現在まで残っている本当に効果が出る手法といえるでしょう。
 また、ランチェスター戦略は、市場参入や営業マンを使った戦略、地域戦略などリアル市場でのイメージがありますが、同じ考え方で「訪問しない営業」や「ネットの世界」でも成果を出すことが出来ます。だからコロナで人の行き来が減ったとしても、まったく問題はありません。
 実際、指導先のネットベンチャーも上場を果たしましたし、コロナをきっかけに、営業の体制や仕組みを改革したいという相談が相次いでいます。

 

Q:ランチェスター戦略を学ぼうとする方に、まず伝えたいことは?

 「大が小に勝つ」のは当たり前です。ではどうすれば「小が大に勝つ」ことが出来るのか。
 特に今はコロナの影響があり需要が冷え込んでいる業界が数多くあります。そうなればなるほど、大が小を食って、市場は寡占化していきます。その中でいかに「小」で「弱い」立場の中小企業が生き残るか。そこに力点を置いて経営戦略を立てなければいけません。
 たとえば、ランチェスター戦略では、市場シェアを判断基準として、1位を「強者」と呼び、2位以下を「弱者」と呼びます。そして、強者と弱者では、取るべき戦略が根本的に違います。そこを間違って、実際は弱者なのに、強者の戦略で戦ってしまう企業が本当に多いのです。間違った戦略は、成果が出ないだけでなく、悪影響を及ぼしてしまいます。
 また、「戦いに勝つ手法」というと、正面からぶつかり、争い、血みどろになって戦う方法をイメージするかもしれませんが、ランチェスター戦略はそうではありません。
 不利な立場の企業は、有利な立場の企業と正面から戦っても負けるのですから、戦いは避けなければいけません。競争を回避しつつ、得意な土俵を見出し、自らの武器を磨き、唯一無二の存在を目指していくのです。それが「小」の正しい勝ち方なのです。

 

Q:起業したばかりで、人材も資金もありません。それでも、ランチェスター戦略は使えるのでしょうか?

 もちろん役に立ちます。ランチェスター戦略は大企業でも使っていますが、もともとは中小企業に向いている戦略理論なのです。コンサルタントの草分けである田岡信夫先生が、日本の中小企業を指導する実務の中で確立したもので、中小企業がさらに発展していくために必要な考え方なのです。
 今では大企業になっているソフトバンクも、旅行会社のHISも、ビジネスホテルチェーンのAPAホテルも、かつてはベンチャーでした。個人が起業したきわめて小さい会社です。そういった会社が、起業したてのときに、ランチェスター戦略を勉強し、自社の戦略作りに活用し、発展していったという成功事例がたくさんあります。
 インターネット関連企業GMOの熊谷正寿社長は、創業期に「インターネット産業の中で圧倒的“1番”になる。マーケティングはランチェスター戦略をベースに行動する」と言われて「GMO流ランチェスター戦略」を確立されました。現在もこれをベースに行動していると言っておられます。

 

Q:ランチェスター戦略が学べる本はいろいろな著者が書かれています。今回、福永先生が出された『小が大に勝つ逆転経営』は、どのような点が、他の本と違うのでしょうか?

 私自身だけで、この15年間で12冊の本を書きました。他の先生もたくさん書かれています。
それらの本は「ランチェスターの理論」を解説しており、理論に適している事例を紹介しながら、理論解説をしています。
 たいしてこの本は、まず企業があって、そこがどのような課題を抱えているか。企業が成長発展していく、あるいはピンチをチャンスに変えていくときに、ランチェスターをどう活用し、改善改革していったかのケーススタディを書いています。大きな事例で19社、小さいのをいれるともっと多くの企業の事例が入っています。すべて私が実際に指導した企業事例ばかりです。
 ようはアプローチが類書とはまったく逆です。たくさんの企業の課題解決にランチェスターをどのよう使ったかという切り口で社長向けに書かれた本は、私の知る限りこの本しかありません。
 業種、業態、規模、地域…さまざまな企業事例を取り上げているので、自社に近い状況の事例を見つけることができるでしょう。そのイメージで自社への応用や導入をスムーズにしていただけると思います。
 
(聞き手:丹野悦子)

「愛読者通信」(2021年1月発行)掲載

 

【日本経営合理化協会 YouTube Channel】
【ランチェスター戦略】小が大に勝つ逆転経営《福永雅文》
https://www.youtube.com/watch?v=HUEUv4eshKM

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