“どうすれば強い会社をつくることができるのですか?”という質問を何度も受けます。昔の私たちですと、本に書いてあることや、専門家の話をまとめてきて説明していました。
しかし、京セラの実学と出会い、実際に京セラの監査役として働かさせていただいてからは、回答の仕方が変わりました。”何事も京セラではどうだったのか。そして、小さな中小企業に当てはめれば、どうすべきなのか”という風に考えるようになってきました。
京セラの成長の要因としては、右手にフィロソフィがあり、左手にアメーバ経営があると言われています。財務の分野に限りますと、大切なことは、アメーバ経営をどのように中小企業に組み入れていくのかではなかろうかと思います。
ただ、京セラ実学を勉強され、京セラと同じようなアメーバ経営をして失敗している経営者も、たくさんおられるように聞いております。それは、京セラと業種や規模、社内風土や社長の考え方が違うからなのです。
要するに、京セラと同じことをしても、中小企業で成功するとは限りません。京セラでやっていることを、業種や規模や社長の経営の考え方に合わせて、独自に作り上げていくことが大切なのではないでしょうか。
そのためには、まず、実学でいう本当のキャッシュフロー経営を確立させること。次に、小さな採算単位のアメーバ組織をつくり上げること。最後に、これをベースとして社員が燃える経営会議を実戦していくことだと私たちは考えております。