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第104回 高級ブランドのメタバース活用

社長のメシの種 4.0

 世界の高級ファッションブランドはメタバース内に店舗を設け、アバター用の衣服などの販売実験を行っている。
 「アバター」とは、デジタル3D(3次元)空間のメタバース内で活動する自分の分身で、ロブロックス(Roblox)というメタバース(ゲーム)では、ユーザーの5人に1人は自分のアバターを毎日更新しているという。


 イタリア高級ブランドのグッチ(GUCCI)は、ロブロックス内にグッチタウン(GUCCI TOWN)を常設オープンし、アバター用のアイテム(デジタル化されたグッチ製品)を購入できるバーチャルショップやゲームを提供、「Vault Plaza」という展示スペースも作っている。
 グッチは昨年(2021年)ロブロックス内で仮想バッグのオークションを行い、最終的に店頭で販売されている実物(26万円)より高い47万円で落札されて話題になったが、これは「コロナバル」で儲かった人達が釣り上げたもので参考にはならない。


 高級ブランドではグッチ以外にも、ポロシャツで有名なラルフローレンが2021年11月に「The Winter Escape」というウインタースポーツのゲームをロブロックス内に立ち上げ、そこでアバター用のスキーウェア(5ドル=650円程度)などを販売、メタバース部門を創設したバレンシアガは「フォートナイト(Fortnite)」というゲーム(メタバース)内でフード付パーカーを販売している。


 グッチやラルフローレンが店舗を作ったロブロックスは、本来は子供市場をターゲットにしたゲームプラットフォームで、1日のサービス利用者(DAU)が4,700万人、その67%が16歳未満という、ユーザーが制作した5,000万本以上のゲームが揃っているメタバースだ。


 高級ブランドは、一般に売られているものに比べて何十倍も高いものを販売しているため、自社ブランドのストーリーを伝えることが最も重要で、新たな顧客層の開拓としてネット上で長い時間を過ごすZ世代(1990年代中盤以降生まれ)や、メタバースに多い男性消費者を新規開拓することを狙っている。


 モルガン・スタンレーは、メタバースは2030年には高級ブランド市場の10%(500億ドル=5兆5,000億円)を占める可能性があると予測している。
 コロナバルの崩壊で、売上が低迷すると思われる高級ブランドの新たな挑戦を見ていきたい。


■メタバース内コンサート


 2020年4月にフォートナイト(2020年時点で3億5,000万人が登録)内で行われた、「トラヴィス・スコット(Travis Scott )」という歌手の9分間のヴァーチャル・コンサートには、同時接続数1,230万というNY市の推定人口よりも多い人が参加した。


 メタバース内でのコンサートはスマホなどで視聴すればライブ動画と同じだが、VRゴーグルを装着するとメタバースの3D空間に自分が入り込んだような没入感を得られるため、本物のコンサートに行っている感覚が得られて臨場感が高まるし、多くの人が集まって盛り上がっていることも感じ取れる。


 高級ブランドのメタバース売上が予想のように上がるとは思っていないが、現実では収容できない人数を集められるメタバース内コンサートは増えると考えている。

======== DATA =========

●GUCCI TOWN
https://vault.gucci.com/ja-JP/story/metaverse

●The Winter Escape
https://www.roblox.com/games/7608438089/The-Winter-Escape

●Travis Scott and Fortnite Present: Astronomical (Full Event Video)
https://www.youtube.com/watch?v=wYeFAlVC8qU&feature=emb_imp_woyt

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