■AIエージェント
「ChatGPT」の登場で一気に普及が進んだ「生成AI」は、その後も、Googleの「Gemini」、アンソロピックの「Claude(クロード)」、イーロンマスク氏率いるx.aiの「Grok(グロック)」などのアメリカ企業と、中国のDeepSeek、アリババの「Qwen」などによる競争が日々続いており、進化している。
しかし、これらChat型AIが質問を受けたら答える「アシスタント型」であるのに対して、目標を与えられると達成までの手順を自分で考え、実行まで完結させる「エージェント型」AIが注目され、サービスも始まりつつある。
AIエージェントに「来月の営業会議の準備をして」と頼めば、過去の売上データを集めて資料を作成し、参加者にスケジュール確認のメールを送るなど一連の作業をやってくれるというもので、日々の雑用が減り本来やるべき仕事に集中できると期待されている。
■「ロブスターを飼う」
中国では今年の春節(旧正月)休暇に、オープンソースのAIエージェント「OpenClaw(オープンクロー)」を自分のパソコンに搭載するブームが突然起こった。
「OpenClaw」のマークが赤いロブスターに似ていたためか「もう養龍蝦(ロブスター)を飼った?」なども流行語になるほどの熱狂で、3月7日にIT大手のテンセントが深圳本社前で行った「ロブスターをパソコンにインストールするイベント」には1,000人以上の老若男女が行列を作ったが、これには「ロブスターを飼わないと時代遅れ」というブーム現象特有の雰囲気もあったようだ。
「OpenClaw」は自分のパソコン内で動作するAIエージェントで、メールの自動返信やEC事業者の商品登録、在庫管理の自動化、旅行の航空券やホテルの予約などに使えるとされ、中国では「数分で1週間分の事務作業が終わった」という動画が拡散されたのをきっかけに大ブームとなった。
だが、導入設定が素人には難しいため、設定代行だけで数日で26万元(540万円)を稼ぎ出すエンジニアや、OpenClawが入っている中古パソコンが売れるなどの周辺ビジネスも活発化した。
しかし、OpenClawに対しては以前から航空券の購入などをするためにはクレジットカード情報や暗証番号もAIに知らせる必要もあり、セキュリティ面の懸念が持たれていた。
そのようなセキュリティ上のリスクを理解しているエンジニアが使って成果をあげた事例がある反面、一般の人がブームに乗って使い始めたことによるメールアドレスやメールの漏洩、ウィルス感染、パスワードなど機密情報の盗難も多く発生したため、今度はOpenClawのアンイストール(削除)ブームにもなっている。
今回の中国のOpenClawブームは、今後AIエージェントを活用するための教訓を多く残してくれたものだが、Chat型AIからAIエージェントへの転換点を象徴した出来事だったと、後日考えられるかも知れない。
======== DATA =========
●OpenClaw
https://openclaw.ai/



















