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人間学・古典

第十八話 「老馬の智、用うべし」

中国哲学に学ぶ 不況は会社守成の好機

“老馬の智、用うべし”

 この言葉は、韓非子にあるもこの由来は春秋時代にさかのぼる。

 斉の桓公が名宰相管仲と隰朋(しゅうほう)を従えて、小田、孤竹を攻めたときである。
往路は無事であったが、帰路は冬になり道に迷ってしまった。そのとき、管仲が年老いた鳥は
本能的感覚で道を探しあてるものだ。それに従って老鳥を列から放したところ、しばらくして
ある方向に歩き出した。それについていくともときた道に戻ることができたという。

また一行が山道をすすんでいる時、飲み水がなくなり歩行も困難になってきた。
この時、隰朋が、蟻は、冬は山の南側に、夏は北側に巣を作るという、その蟻塚の下には
水源があるという。掘ってみると水源を掘り当てることができたという。

 この話の意味は、どんなつまらぬ人からでも役立つ智恵は得られるものだ、ということである。
また、全く役立つとは思われないことからも新たな智恵が得られるものである。

 ニュートンはりんごの落ちるものを見て、地球の引力を知ったといい、作曲家の古賀政男さんは
キセルの羅宇屋の笛の音を聞いて、“影を慕いて”の名曲を作り、ビールの瓶詰め工場から
回転寿司を開いたという。

 私の失意貧困を救ってくれたのは、漢書にある
“淵に臨みて魚を羨むは、退いて網を結ぶに如かず”の一句であった。
また私に、処世、経営の基本を教えてくれたのは夜学当時の“十八史略抄本”七十四の小冊子であった。

 


※一部旧字を現代漢字に変更させていただいております。

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