どのような事業でも社内資源(人材や設備、技術など)の集中は必要で、「何を作らないか」を判断することも重要になる。
ChatGPTで一世風靡したOpenAIは、年内にも実施する新規株式公開(IPO)に向けた準備を進めているが、その中でAI動画作成及びSNS投稿ができる「Sora(ソラ)」の廃止を決めた。
昨年10月に公開された「Sora」は誰でも簡単な文書の指示で動画が作成ができ、それをそのまま専用SNSに投稿できるため「AI動画のYouTube、TikTok」と大きな話題となり、アップルのアップストアで一時トップの座を獲得、世界ユーザー数も100万人を記録した。
しかし、無料で使える「Sora」はサーバーへの負荷も高く、1日100万ドルの赤字を出していたとされ、ライバルであるアンソロピックに遅れを取っているプログラム支援部門の「Codex(コーデックス)」新バージョンに注力する必要もあり、廃止を決めたようだ。
■アンソロピック(Anthropic)
元OpenAIのメンバーらによって設立された生成AI、「Claude(クロード)」を出しているアンソロピック(Anthropic)は、オープンAIよりも製品を絞っており、画像や動画生成製品は出さず、法人向けとプログラミング(コーディング)市場に注力している。
アンソロピックは「クロード・コード(Claude Code)」と「コワーク(Cowork)」という企業向けAIが話題となり、「SaaS」と呼ばれるソフトウエア企業の株価暴落の引き金となったり、米国防総省との契約打ち切りの際に、自律型兵器への利用や米国民の大量監視への使用を拒否するなどでも話題になった。
私も「Claude Code」を使ってAIエージェントのプログラムを作ってみたが、着想から30分ほどで、ほぼやりたい機能を備えたものができてしまった。
「AIエージェント」の時代に向かってアンソロピックは、一般消費者よりもエンジニアや企業向けの開発に徹底的に集中する戦略をとり成功している。
■集中
今年50周年を迎えるアップルも「最も重要なのは集中だ」としており、ティム・クックCEOは、「集中とは、イエスと言うことよりむしろ、ノーと言うことだ」と話している。
創業者のスティーブ・ジョブズ氏も2008年に、「私は実のところ、自分たちがやったことと同じくらい、やらなかったことの多くについても誇りに思っている」と話している。
素晴らしいアイデアが多く生まれる企業では、それらの企画に対して「No」ということは難しいが、成功している企業は重要ではないものを排除している。
======== DATA =========
●OpenAI・Sora廃止
https://help.openai.com/en/articles/20001152-what-to-know-about-the-sora-discontinuation
●アンソロピック(Anthropic)
https://www.anthropic.com


















