こんにちは!1位づくり戦略コンサルタントの佐藤 元相です。
大阪のある町工場の社長が「経験者を中途採用したところ現場でミスが多く困っている」、「やる気がないのか?知識が乏しいのか?」と不満を漏らしていました。
社員のミスは現場改善のチャンス
ミスには働く人の意欲や知識などその人に焦点があたり疑念が生じがちですが、実際には別の視点から物事を把握することが重要です。
ランチェスターリーダーシップ戦略では、繰り返し業務で能率を上げ、良い仕事をするには、
①戦術全体の流れを良くする仕組みをつくる
②仕事量で7割を納めるのは標準化する
③7割の仕事については手引き書をつくる
④自社にあった教育方法を開発する
とあります。
社員がミスをしていることは、戦術全体のシステムやプロセスの潜在的なバグや問題を発見する手がかりとなります。社員の行動は、販売のプロセスや生産工程周辺の取り組み、伝達方法や機械操作など、把握しにくい要素に焦点を当てることで、事業のさまざまな戦術やシステム、製造プロセスの問題を特定するのに役立ちます。
例えば、対話型AI「ChatGPT」は、システムのバグ発見者に報奨金最大2万ドルを支払うことを発表しました。この事例からも、社員のミスを単なるネガティブな出来事と捉えるのではなく、それを現場改善のヒントとして見なすことが重要です。
社員のやる気がないわけではなく、むしろ問題を見つけ、改善に向けて行動する意欲を持っている可能性があります。その意欲を活かし、現場改善のプロセスに社員を積極的に参加させることで、会社全体の品質向上と競争力強化につなげることができるでしょう。
本を読んだりセミナーに参加したりすると「管理」という話しが良く出てきます。組織の管理において、ミスからの改善の仕組みを確立し適切に実施することではじめて管理が発生します。仕組みをつくらないで文句を言うだけでは人は育たず、問題も解決しません。
要するに、社員のミスは現場改善のチャンスであり、社員の意欲を引き出し、問題解決に積極的に取り組むことで、より効果的な改善を実現できます。
1.ミスをチャンスと捉える
社員のミスを単なるネガティブな出来事とせず、改善のチャンスとして考えることが重要。
2.ミスが問題の手がかり
社員のミスは、システムやプロセスの隠れた問題やバグの兆候を見つける手がかりとなる可能性があります。
3.社員の意欲を活かす方法
社員のやる気を高め、問題解決の意欲をより高めるためには、積極的にその場に参加させて意見や提案を尊重し、現場改善に取り組むことがさらならう飛躍の可能性を秘めています。
中小企業の弱点は、仕組みづくりが弱いことにあります。計画を立てて、仕組みをつくり、実行、検証するサイクルを機能させると業績はよくなっていきます。
こうすると、弱い力でも効率が低下しないので、1人あたりの利益が多くなります。
ランチェスターリーダーシップ戦略では、働く人の意欲を高め、利益の出る仕組みをつくることが社長の重要な仕事であると示しています。
※「バグ」とは、プログラムやシステムに起因する誤りや欠陥で、意図しない動作や正常な動作の妨げとなります。開発者は修正やテストを通じて品質向上に取り組み、信頼性を高めます。