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第162回 深津式プロンプト

社長のメシの種 4.0

 ChatGPTの登場で一気に世界的に広まった「生成AI」ブームだが、人間が書いたような文章を返してくることには驚いたものの、内容に関しては間違っていたり作り話をするという弊害も出た。
 ChatGPTなどの生成AIは、インターネットなどにある大量の文章で学習(トレーニング)した「大規模言語モデル(LLM)」をベースに、手前の文章に続く文章を確立的に計算して書くため、一般論や誰に聞いても答えられるような質問は得意だが、独特のアイデアや例外的な判断は不得意だ。
 また、自分の求めているような回答とは違ったものが返ってくる場合もあり、当初はビジネスに活用するのは難しいと思われていたが、「深津式プロンプト」の登場により、仕事に使える「道具」となった。
 深津貴之氏が考案した「深津式プロンプト」は、マニアから大企業まで瞬く間に生成AIを活用する場合の「書式」として広がり、オフィスの生産性向上につながっている。


◾️「深津式プロンプト読本」


 その「深津式プロンプト」を具体的な利用法とともに解説した「深津式プロンプト読本」が発売された。
 この本には、どのようなプロンプト(書式)を与えるとChatGPTが期待するような回答をしてくれるかなどの、基本的操作がキッチリ具体的に数多くまとめられている。


 例えば、以前は学習後に起こったニュースや情報は知識を持たないために答えられなかったChatGPTも、最新のバージョンではネット検索をしてくれるが、検索をせずに自分(LLM)の知識だけでいい加減な答えをする場合もあるため、「検索して答えて」というプロンプトを入れることが必要とされている。

 この本の中で深津氏は、「これまでのAIはプログラム命令を書いて依頼するものだったが、ChatGPTのような生成AIは人間の言葉で対話することに対して答えを出してくれる」ため、「プログラマーでない人でも業務でAIを活用できるようになった点が大きな変化」だとしている。
 しかし、ビジネスで効率的、安全に活用するためには、「プログラム思考」の「プロンプト」活用は必要で、その最良のマニュアルがこの本ではないかと思っている。

 「深津式プロンプト読本」には要約、会議などの議事録、レポート、教育、トラブルシューティング、クリエイティブな表現、FAQ、誤情報対策など、具体的なプロンプトの事例が多く掲載されているので、ビジネス利用時に活用していただきたい。

======== DATA =========

●「深津式プロンプト読本」
深津貴之、岩本直久:著
日経BP:刊
2,640円

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