子どもにとって親の言葉は、時に、人生を左右しかねません。社員にとっては、社長の言葉が力を持ちます。その力は、正の力とは限らず、負の力にもなり得ます。
そこで、青春出版から今月発売の「脳を育てる親の話し方 その一言が、子どもの将来を左右する」 加藤俊徳・吉野加容子 (著)の冒頭文を引用します。
<引用はじめ>—————————————————————————-
「アタマは、使えば使うほど、よくなる」
母は私が幼い頃から、この言葉をことあるごとにささやいてくれました。
私は、好奇心旺盛で外で遊ぶことが大好きでしたが、それ以外のことにはまったく興味がなく、母や祖母をひどく心配させる子どもでした。座って教科書を読むことさえままならなかった私でしたが、母に叱られた記憶は一度もありません。
母は、「アタマは、使えば使うほどよくなる」と、優しくささやき続けることで、私に「アタマを使う」ことを覚えさせようとしてくれたのかもしれません。
母の言葉をきっかけに脳に興味を持った私は、自分なりに「アタマの使い方」を考え続け、医学部に進学しました。しかし医学部には、病気の脳を治療する方法はあっても、健康な脳を育てる方法はありませんでした。
私は小児科診療に携わりながら、アメリカに渡って脳の研究を続け、MRIを用いて、胎児から高齢者まで1万人以上の方の脳画像を分析してきました。
「アタマを使いなさい」という母の言葉を胸に生きてきた私が、脳科学の分野から「アタマの使い方」を研究するようになったのです。
このように、小さな頃にお母さん、お父さんから言われた一言が、大人になった今も心の支えになっている人、自分を動かす原動力になっている人は、少なくないはずです。
お母さん、お父さんの言葉には、子どもの人生を左右するほどの大きな力があります。
日光を浴びた植物がすくすく育つように、親の「言葉」は、子どもの脳が育つために欠かせない太陽のようなものなのです。」
—————————————————————————-<引用終わり>
母の言葉によって、私は人生の目標を見出し、そのために努力することにも気がつき、結果的に脳科学によるアタマの使い方まで生み出させてくれました。知的障害疑いがあるとまで指摘された小学校2年生の頃からなんとか、一人の人間として立てるようになったのは、私に対する母の接し方、特に、状況をいろいろと考えながら諭す話し方のおかげだと思います。
いままで一度も私に怒りの刃を向けることもなく、ストレスの発散の矛先を向けることもなく、イヤな顔を私にも他人にも見せることもなく、悩ましい子どもの状況を打開する手助けをしてくださいました。
長年、「母の力は偉大である!」と考えてきました。
小学生の頃、母に1度、「自分はどんな人間になってほしい?」と聞いた事があります。
「杉の木のように曲がらない、真っ直ぐな人間に育てようとしてきたよ。」と母は言いました。
事実、脳としてやるべき事を見つけてからの私は、人間の脳を究めるために必要だと思える最善の道をいつも最優先してここまで生きて来ました。
現在、その私は、脳の学校の経営者でもあります。
「脳を育てる親の話し方 その一言が、子どもの将来を左右する」の作品を制作しながら、これは経営者にあっても同じことだと自問自答していました。
【今月の月刊脳番地トレーニング】
今月の月刊脳番地トレーニングは、「経営者として社員に話したい一言を決めて実行する」です。
とかく経営者は1年間の利益にアタマを奪われがちになります。
しかし、それだけでは、社員は育たないのは明らかです。社員の将来を左右する一言を
今月、自身の会社でお話してみましょう。
是非、このテーマで、今月を過ごしてみましょう。経営者の脳の健康のために!
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