経営がもっともうまくいく状況は、常に、ライバル会社より先に進んでいる事です。そのために、経営者は、常に、立ち止まる事が許されていません。「進歩しているのは自分の会社だけではない!」からです。
一方、競合他社は、少し遅れている事が分かっているので、四六時中第1位の会社との距離を詰めて、できれば抜きたいと思っています。
このような状況を打開するために、人間の脳が思いつく選択肢は、大概予想がつくのではないでしょうか。
例えば、「競っているから疲れる、それならば、買収して1社独占になればいい。」 その通りです。しかし、独占して都合が良くなっている状況は、せいぜい100年、長くて200年持つでしょうか?
会社が大きくなりすぎて組織化が進むと、「問題点」の発見が遅れる筈です。より大きな組織から、小さな「癌」を見付ける事には時間がかかります。どんな癌も最初は、小さな癌細胞から始まるのです。
癌とは、おなじ組織内が調和しなくなる現象です。癌でなくアルツハイマー病でもおなじです。小さな老化物質が神経細胞や白質を侵します。しかし、症状が出るのは、海馬の周辺に病巣が進展したときなのです。会社が生き物なら、自然界の法則、あるいは、生命体の生存原理に類似しているはずです。
今月は、常に進まなければならない経営者の思考系のバランスを取るための運動系脳番地トレーニングを紹介します。
「進むか?後退するか?いや、止まるか?」
このような判断に対して、進まなければならない経営者の思考系バランスは、大概、「前進」に傾いています。
経営者だけではありません。誰しも前進した物事を、後退させたり、止めるエネルギーは相当なものです。
そこで、毎日、3分ないし、5分間の「後退歩行トレーニング」をやって頂きたいです。
まず、2メートルほどのひもを用意します。そのひもの端から端まで、後ろ向きで進みます。
素早く後ろ歩きをするのではなく、ゆっくり右足のかかとに左足の母趾が当たるように置きます。こんどは、左足のかかとに右足の母趾が当たるように置きます。
後退歩行トレーニングは、前に進む思考を後ろに進む運動によって脳内の思考バランスを矯正します。
後ろに進むことによって前に進む自動化された行動を矯正します。後ろには目がついていないのでこころの目で後ろの光景を想像します。足下を見ると姿勢がわるくなりますので、背骨を真っ直ぐにして足下を予測しながら進めます。
後退歩行トレーニングは、脳梗塞になりやすい頭頂葉の脳活動を高めます。
ゆっくりなめらかになるように歩くことがコツです。加齢とともに前屈みになりやすいので、脊柱起立筋の動きが歪んでいます。後退歩行トレーニングは、脊柱起立筋の動きのバランスを取り戻し、背骨の矯正にも効果的です。
【今月の月刊脳番地トレーニング】
すすみたいキモチを抑えるための鍛え方として、
「2メートのひもを1本用意して、ゆっくりひもの上を真っ直ぐ後退歩行しましょう!」
転ばないように周りには物を置かない状態で開始しましょう。適切な運動のための場所選びも脳のてっぺんを刺激して、空間認知能力を高めます。
是非、このテーマで、今月を過ごしてみましょう。経営者の脳の健康のために!
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