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教養

第23回 『心との戦い』(著:ヒクソン・グレイシー)

眼と耳で楽しむ読書術

新年、明けましておめでとうございます!
 
2014年が始まりましたが、いかがお過ごしでしょうか?
 
気持ちも新たに、夢や目標、今やるべきことに向かって
邁進していらっしゃることと思います。
 
僕は12月をドイツで過ごし、一年の整理をしてきました。
 
厳しい寒さの中だからこそ、むしろ頭が冴える感覚があり、
南国でのんびりするよりも、僕には向いているようです。
 
多くの本も読みました。
 
その中で、新年にあたって、
ぜひともご紹介したい一冊にめぐりあいました。
 
それは、
 
『心との戦い方』ヒクソン グレイシー (著)
 

です。
 
知る人ぞ知る、グレイシー柔術最強の男として、
総合格闘技でも一斉を風靡した400戦無敗の人物。
 
引退から数年を経て、無敗の秘密がついに明かされる――
 
このような派手な宣伝文句のついた本は
数多くありますが、残念なことに内容の伴わない、
読んでガックリするものも少なくありません。
 
しかし、本書に関しては、十分すぎるほどの優れた内容です。
ビジネスマン必読、とすら思います。
 
書名どおりに、話のテーマは、"心"。
 
ヒクソンが強かった理由、
それは、「心が強かったからだ」ということです。
 
身体を鍛えることは、時間を重ねていけば
それなりの成果が期待できますが、心はそうではありません。
 
圧倒的に優れた素質を持つプロ選手であっても、
結果を残せぬまま、舞台を去っていった人は山といます。
 
それは一体なぜか?
 
逆に、際立った身体能力に恵まれていなくても、
第一線で活躍し続ける人もいます。
 
それは一体なぜか?
 
成功できる者とそうでない者に違い、
これは何か。
 
 
その答えの1つが、心にあります。
 
無敗の男、ヒクソンは一体どのようにして
心を鍛えていったのか。
 
本書の最大の読みどころです。
 
高みに立った人間にしか語れない言葉には
非常に重みがあります。
 
まず驚いたのは、彼のプロデビュー戦でのエピソード。
 
実は、1ラウンド終了時に、疲れ果てて、
セコンドに試合放棄を申し出た、という。
 
結局、父エリオらの言葉に背中を押されて、
そのまま戦ったところ、勝ちを収めたそうです。
 
もしもセコンドが彼の言葉を受け入れていたなら、
無敗の伝説は存在しなかったことになります。
 
運の良さも含め、彼の強さは決して完全無欠のものではなかったことが、
本書の端々から感じ取れます。
 
だからこそ、強くなるために何が必要なのかを考え、
実行してきた!
 
そこに一番の秘密があります。
 
そして、もう1つだけお伝えするなら、
覚悟の違い、です。
 
言い換えれば、勝つ人間の心の持ち方です。
 
さすがとしか言いようがありません。
気合いが入ります!
 
この2014年を最高に実り多きものにするために
じっくり読んでいただければ幸いです。 
 
本書を読む際におすすめの音楽は、
 
オットー・クレンペラー指揮による、
 
「マーラー:交響曲第7番「夜の歌」他」
マーラー:交響曲第7番「夜の歌」他 /amazonへ
です。
 
長く厳しい夜がようやく明け、輝く朝がやってくるような
力強さにあふれる交響曲。
 
本書との相乗効果で、エネルギーがみなぎってきますよ!
 
では、また次回。
 
 

 

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