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戦略・戦術

第三十二話 業界平均2倍の粗利益を確保する小さなリフォーム店の成功戦略②

中小企業の「1位づくり」戦略

チラシの差別化で勝つ!―小さなリフォーム会社が巨大チェーンに勝つための一点突破差別化戦略

 

地域住民を対象とするリフォーム会社は通常、
チラシの折り込みやポスティングをおこなっています。

 

丸茂工務店もそこは同じ。

チラシを配っています。

ただし、全国のホームセンターや巨大チェーンのようなチラシではありません。

まったく真逆のチラシです。

売り込むことが目的ではなく、お客と仲良くなるためのチラシなのです。

これが集客に大きく影響を与えているのだ。

 

いったいどうこと?と思いますよね。

 

じつは、巨大チェーンや多くの工務店では商品を買ってもらうために、「○○パーセントオフ!」とか、「今なら半額セール」と値引きでお客の関心を引き、注文をもらうことが目的となっています。安いことを武器にして集客しているのが現状です。

たしかに価格は武器になります。


しかし、小さな会社が同じようなやり方をしては、会社の体力が持ちません。

ある工務店がコンロとフードをセットにした感謝祭キャンペーンを開催したら、顧客がネットで同じ商品価格を調べて、「それはちょっと高いんじゃないの?」とクレームの連絡が入ったということがありました。

信頼をなくすことにもなりかねないので小さな工務店は価格訴求での集客はやめたほうがいい。

つまり価格で訴求すると、価格に敏感なお客が集まるのです。

いや、集めているのです。

 

ところが、「価格が安い」と問い合わせてくる、一方で「価格ではなく」信頼のある会社に任せたいという要望をもった人もいるのも事実です。

調査に寄るとリフォーム業者を選ぶ要因の50%は「価格が安い」ことで、残りの50%は「人柄や信頼できること」でした。

後者のニーズをくみ上げているのが丸茂工務店のチラシなのです。

 

チラシづくりのポイントは「顧客から共感を得ること」です。

共感とは、共に感じると書きますね。

人は自分と同じような体験をした人に対して共感を抱くものなのです。

そうしてその体験がより自分の経験と近いモノであればあるほど、感情を移入してしまうのです。映画を観て感動して涙を流すのも共感しているからなのです。


これがその共感チラシです。
 

ichii321.png

 

売り込んでいませんよね。
仲良くなりたいという意図をしっかり感じてもらえると思います。

 

〈建築ではなく医療?…丸茂工務店の商品力〉

病院が提供しているものは医療技術だとすると、

丸茂工務店が提供しているものは“住まいの医療技術”と言えます。

 

「お家のお医者さん」でありたいと願っている丸茂さんは、

建物で傷んだとことは直し、できるだけ不必要な出費を抑えるための

予防措置をほどこしたいと考えています。

 

「リフォームの内容によっては、工事しないほうがいいこともあります。

でも、お客さまはそんなことわかりませんよね。

私たちはプロですから、心からお客さまのことを思えば

『こんなリスクがありますから、工事しないほうがいいですよ』と申しあげます」

 

 リフォーム事業は、丸茂さんが言うように医者に置き換えるとわかりやすい。

こんな治療をしてほしい。

こんな手術をしてほしい。

患者がそう依頼したからといって、すべて言いなりになる医者はいません。

 

優れた医者であればあるほど、患者の状態や年齢、

あるいは併発している病気によって、

さまざまなリスクが生じることを説明するでしょう。

 

患者に言われるまま治療や手術をする医者は、

決してお客思いと言えません。

 

リフォーム工事店も同じです。

住まいのドクターとして名医だからこそ、会社の売上や利益より

お客の家の健康やお客の利益を一番に考えるのです。

 

 

〈「丸茂さんが頼り」と頼ってくれる人…丸茂工務店の中心客層〉

 

あなたは歯が痛くなったとき、

治療のために利用する歯科医院が決まっていますか。

頼りにしている先生がいますか。

 

それとも、(どこかいいところはないかな…)と

毎回、利用する歯科医院を変えますか。

 

歯が痛くなったらあのクリニック。

風邪をひいたらあの医院。

調子が悪いけど、よくわからない場合はこの病院。

そんなふうに決まっていれば安心ですよね。

 

生活範囲にかかりつけ医があると楽ですが、

メリットがあるのは患者の側だけではありません。

医師にとっても“顔なじみ”の患者が望ましいと言えます。

 

患者の病歴がわかっている。

患者の性格がわかっている。

患者の体調にかかわる親子関係、兄妹関係がわかっている。

だから診察のたび同じ質問をする必要がなく、

治療方針もたてやすくなるからです。

 

なにより、互いの人柄を知っていると安心です。

患者は医師を信頼し、医師は自分を信頼してくれる患者を持つ。

それは互いにしあわせです。

 

患者をお客に、医師を経営者に、病院を工務店に置き換えても、

まったく同じ構図を描くことができます。

 

丸茂工務店にとっての中心客層は、

“住まいのかかりつけ医”を望んでいるお客であり、

丸茂工務店は地域住民に頼りにされる“お家のお医者さん”なのです。

 

今日は、顧客に安心感を感じてもらうチラシと客層の選び方についてお伝えしました。

あなたはチラシ集客でどのような差別化をしていますか?

 

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