2024年も「地域」がひとつのポイントになる!
地震、事故と重なり、大変な年明けになっていますが、皆さんご無事でおすごしでしょうか。お知り合いが被害に遭われ、心配な方も多いと思います。北陸に駆けつけるのは憚られる状態ですので、私はふるさと納税制度などを使って、まずは私にもできることから支援しようと動いております。
今年最初のコラムは、2024年のトレンド予測をお伝えできればと思います。この一年、話題を呼びそうなトピックを以下ご紹介していきます。
2024年も、「地域」がひとつのポイントになるのは間違いないところかと思っています。たとえば…。
筆頭に挙げたいのは「九州MaaS」です。MaaSとは「Mobility as a Service」の略称で、鉄道やバスなどの交通機関を使って、人が最適なルートで動けるように教えてくれるだけでなく、料金も一度に簡単に決済できるサービスを指します。
それがどうした、と感じられるかもしれませんが、ちょっと想像すると、その便利さは理解いただけるかと思います。スマホアプリなどを通して、便利な移動手段の検索から、予約、支払いまでも一元的にできるようになるわけです。また、このMaaSの導入・定着にはもうひとつ大きな意味があります。渋滞・混雑の緩和、そして交通弱者を救う取り組みに活用することもできるからです。
「九州MaaS」はこの夏にスタートするとされており、その範囲対象は九州全域です。鉄道、バスといったライバル企業が手を取り合い、しかも県をまたがったサービスであるとことがミソです。簡単そうで、実は調整や実現が難しいですからね。そこを乗り越えてのサービス開始という話です。これが成功すれば、全国各地に大きな影響をもたらすはずです。その意味でも注目したいところ。
地方といえば、「黒部宇奈月キャニオンルート」の始動も脚光を浴びそうです。
北陸の富山で6月にスタートするツアー商品。戦前から戦後にかけて電源開発のために苦闘を続けた山岳地帯の工事の成果をこの目で見られる、いわば「知られざる地底の旅」。これまで一般開放されていなかった秘境を訪れることができますし、もちろん有名な黒部ダムもコースに含まれています。
1泊2日で1人13万円という、かなり立派な料金も話題をさらっていますね。ただ、関係者に話を聞いてみると、ホテル代や食事代、それに安全確保のためのガイドさん代を足していくと、この料金水準になるそうです。
このキャニオンルートの一般開放(旅行商品化)に当たっては富山県も全面バックアップしており(といいますか、実質的な企画立案は県そのものであるようです。ここが珍しい事例)、地域の官民連携プロジェクトとして、こうした高い料金のツアーがどこまで成功するか、その点もしっかりと見ていきたい。