menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

キーワード

第43回 ワイヤレスイヤホン

社長のメシの種 4.0

 昨年2019年のヒット商品の中に「ワイヤレスイヤホン」がある。
 調査会社Canalysが発表した「True Wireless Stereo」製品データ(ワイヤレスイヤホンとイヤレスヘッドフォン)によると、昨年第3四半期に9,670万個(前年比53%増)を出荷、第4四半期は1億個を突破し、年間で3億5,000万個になる見込みだという。
 
 数年前にiPhoneのイヤホンジャックを廃止してワイヤレスイヤホンを発売した米・アップルがメーカー別に見ると最も売れており、市場シェアが43%と2位の中国・Xiaomi(シャオミ)7%、3位の韓国・Samsung(サムスン)6%を引き離している。
 
 アップルが昨年10月30日に発売したノイズキャンセリング機能付きワイヤレスイヤホン「AirPods Pro」は、月産100万台にも関わらず発売直後に完売、最長で入荷1ヶ月待ちとなるヒット商品で、外の騒音を消す機能以外にも「耳から落ちず・装着の違和感がない」「外音も自然に取り込める」「ケースを開けると自動接続」などが評価されている。
 
 ノイズキャンセル機能は、低音、中音域の音質に影響を与えるとされるため、音響機器メーカーのワイヤレスイヤホンと比べると音質的に劣るという人もいるが、「一日中着けていたい」と思えるトータルバランスにより「AirPods Pro」が選ばれている。
 
 今年はGoogle(グーグル)やマイクロソフトなどからもワイヤレスイヤホンが発売される予定だし、中国勢を中心とした低価格商品も多数市場に出回ると考えられ、ワイヤレスイヤホン市場は更に加速しそうだ。
 
■ヒアラブルデバイス
 ワイヤレスイヤホンの新たな機能として、「ヒアラブル(hearable)デバイス」としてのイヤホンというものがある。
 「ヒアラブルデバイス」とは、耳に装着するウェアラブル端末(体に装着するセンサーや情報機器)のことで、音楽などを聞くイヤホン、補聴器、音声でAIと対話(アマゾン・エコー、グーグル・ホームなどのスマートスピーカーの機能を外出先でもイヤホンとスマートフォンにより実現するもの)などが含まれる。
 
 総務省が昨年の敬老の日(9月16日)に発表した人口推計で、日本は65歳以上の高齢者が前年比32万人増の3,588万人、総人口に占める割合が28.4%と世界一になる一方、2019年に国内で生まれた日本人の子どもの数が86万4,000人と、1899年の統計開始以来初めて90万人を割り込み、少子高齢化が進展している。
 
 このような高齢化社会で今後注目されるのが聴力の衰えを補う「補聴器」だが、メガネと違い補聴器には抵抗感がある人が多い。
 70歳代男性の50%、女性の40%が難聴との指摘もある中、今後は補聴器が必要になる世代にもワイヤレスイヤホンを体験している人が増えるので、一見イヤホンにしか見えないものは抵抗感が低くなるため、今後のワイヤレスイヤホンは補聴器機能、翻訳機能なども備えた「ヒアラブルデバイス」としても注目する必要がある。
 
 若い人にも「周囲がうるさくても、前方向にいる人の声をしっかりと聞き取れる機能」にはニーズがあり、高齢化社会の日本では多方面に発展する可能性がある。
 
 
======== DATA =========
 
●AirPods Pro
 
●総務省・統計からみた我が国の高齢者
 
 
 

第42回 米年末商戦前のページ

第44回 CES 2020次のページ

関連セミナー・商品

  1. 新しい儲け方のヒント

    新しい儲け方のヒント

  2. 《デジタル革命・AI最新技術》

    音声・映像

    《デジタル革命・AI最新技術》

  3. 黄金の6年は、日本のビジネスチャンス 音声版(CD・デジタル版対応)

    音声・映像

    黄金の6年は、日本のビジネスチャンス 音声版(CD・デジタル版対応)

関連記事

  1. 第54回 EC売上急増

  2. 第28回 2019年はユニコーンバブル崩壊の年

  3. 第47回 令和元年の2つの出来事

最新の経営コラム

  1. #2 一流の〈相談乗り力〉-相手になりきって聴く-

  2. 第49回 「お客様第一主義」の根本

  3. 第213回 少数株主からの買取請求を阻止せよ!

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. キーワード

    第26回(顧客視点をしっかり持つ)「ROBO太」
  2. 社長業

    Vol.120 2008年・注目のベトナム3大都市  視察レポート 2
  3. 社員教育・営業

    第90講 なぜ『ケーキやパンに髪』の偽クレームを約7000回も繰り返すことができ...
  4. 戦略・戦術

    第77話 私 インフレの体験者 デフレの体験者です
  5. マネジメント

    第223回 「売り方」よりも「売り先」を考える
keyboard_arrow_up