訪日外国人数はピークの2019年に3,188万人となり、当時の安倍政権は2019年末に「観光立国」を目指して、東京オリンピックの2020年に4,000万人、2030年には6,000万人と目標を引き上げた。
しかし、2020年からの新型コロナウィルス感染症拡大で、東京オリンピックも2021年に延期、欧米諸国ではロックダウンが行われるなど世界中で海外旅行客が激減、2020年は412万人、2021年は25万人となった。
しかし2022年に入り、世界でコロナの流行が終息する気配が感じられ、海外旅行客が戻ってくる日も近づいているという希望が出てきた。
■バーチャル日本旅行
ANAグループのACDは、アフターコロナの誘客につなげるバーチャル日本旅行を実施し、日本の魅力を伝えている。
長野県、鳥取県、島根県、愛媛県、沖縄県の5県で実施しているバーチャル旅行の累計参加者が3月に73万人になり、最も多かった島根県松江市のツアーには16万2,000人、2番目の愛媛県道後温泉には4万4,000人、3番目の沖縄県宮古島の与那覇前浜ビーチには3万6,000人が参加している。
このバーチャル日本ツアーは、中国の代表的SNS「WeChat」の「WeChat視頻号(チャンネル)」に越境LIVEライセンスを取得した「日本旅游指南」という公式メディアを開設して行っている。
「日本旅游指南」では在日中国人によるLIVEを365日毎日配信し、1日平均視聴者数4万人、月間150万視聴、1年でショート動画累計視聴数800万再生を突破している。
中国でもファンの多い人気日本アニメの舞台「神田明神」を聖地巡礼した配信では、配信終了時点で延べ11万視聴を記録した。
ライブ配信で商品を販売するライブコマースも行っており、商品・サービスの販促から注文管理までできるミニプログラムの開発・運用を可能にするサービス「WeSearch」を、日本企業・自治体向けに提供している。
3月21日で、1月から実施されていたまん延防止等重点措置が全ての都道府県で終了となり、アフターコロナに向かって動き出すが、「バーチャル日本ツアー」のように次につながる施策を準備しておくことは今後も重要だ。
======== DATA =========
●日本各地のバーチャル日本旅行を実施
http://www.a-cd.co.jp/news/20220307.html
●WeChat Channels
http://www.a-cd.co.jp/service/wechatchannels.html
●全日空海外旗艦店・JD.com(京東)HP
http://mall.jd.hk/index-11398902.html
●中国最大のSNS「WeChat」を活用した中国向け越境EC・観光情報発信の取り組み
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000030513.html
●ANAホールディングスが出資する株式会社ACD、中国大手ECプラットフォームの「京東(JD.com)」に「全日空海外旗艦店」をオープン
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000021.000030513.html