-「成長見える化シート」を活用する教育を成功させるポイントを教えてください。

個々人の上司ひとりに任せてしまうと、属人化してしまい、会社としての仕組みにはなりません。ですから、課長・係長候補の若手リーダー層をあつめたチームでおこなうことをおすすめします。
チームでおこなう狙いは二つあります。
マネジメント層になるとチームで問題を解決する能力がもとめられますが、プレイヤーの立場では、それを経験する機会はなかなかありません。
このように少人数チームを組んで、プロジェクトを進める経験を積ませることで、チームをまとめるためのリーダーシップやマネジメント力を鍛えることができます。これが一つ目の狙いです。
二つ目の狙いは、成功体験を積ませることができるからです。
最近は30~40代の中堅社員の離職の増加や、仕事に対して主体性を感じられないという相談も増えています。「成長見える化シート」作成プロジェクトには、新人の成長と定着というゴールがあるため、参加した社員に成功体験を自然に積ませることができ、その結果、彼らの成長やモチベーションアップにつながります。
また、ノルマのようにこなすのではなく、自分たちで考え決めた課題を進めるので、高い主体性をもってプロジェクトを進行できます。
進め方のイメージは次の通りです。
プロジェクトチームの結成後、まずは、個人ワーク形式でどんどん付箋に新人に習得してもらいたいスキルを書き込んでもらいます。
次に付箋をホワイトボードなどに張り出し、被ったものは捨て、残った付箋を仕事内容別などにカテゴライズします。
そして、それぞれのカテゴリーごとで、マスターすべき順番に並びかえます。
ある程度まとまったら、付箋の内容をシートに落とし込みます。
その際、誰がどのように教えるか、スキルの習得度合いの確認方法なども決定します。
そして、非常に大切なのは、そのプランが実践出来ているのか、PDCAを回し、チェックしていくことです。
これに限らず、社内の新たな仕組みづくりや、新規事業をつくる際は、少人数でのプロジェクトチームを組んで進行するのが効果的です。
特に、このやり方は、後継社長育成に絶大な効果を発揮します。
私は、よく後継社長を鍛えて欲しいと依頼を受けますが、その際は「チームV字」と呼んでいる独自の指導をおこなっています。
「チームV字」とは、後継者を中心として次世代幹部候補生数名でチームを組んでもらい、チーム全員で会社が抱える経営課題を短期間で解決するというOJTプログラムです。
この「チームV字」を実践することで、後継者と将来的に脇を固める幹部候補生に成功体験と実績を積ませることができるので、彼らの自信と成長につながります。
チームメンバーの選び方や、課題の見つけ方、具体的な進行方法、現社長の役割などは『チームV字経営』にて解説しています。
幹部候補を筆頭に、若手リーダー層の成長に不安を抱える社長や、後継者を鍛えたい社長はぜひ、こちらを参照なさってはいかがでしょうか。
2


























