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社員教育・営業

第8講 営業の方が『ご指摘製品の引取りのための訪問をする』際の、とても大切なこと①

クレーム対応の新知識と新常識

名刺をお客様に渡すことはしなくて良いことです。ネームプレートをしっかりと見ていただいたらそれで良い。

 ご指摘製品をお客様のご自宅に引取りに行ったときの営業の方は、お客様に名刺を出すことをしなくて良いのです。なぜなら、この事案の担当者は、この営業の方ではないからです。言い換えれば、この営業の方は、引取りという作業をしているだけで、この事案の担当は、『お客様相談室』だからです。

 そもそも名刺を出す目的は『これからもお付き合いが続くので自分の名前を憶えていただき、連絡先をお伝えするため』なのですが、ご指摘品を引き取りに行った営業の方は、このお客様とは①これからお付き合いは続けない(製品回収以後は、お客様相談室が担当するので)・②だから自分の名前を憶えていただく必要はない・③だから自分の連絡先を教える必要はないので、名刺を出す必要はないのです。

 首にかけている自分のネームプレートを両手で持って、お客様の目の前に出して「**社、営業部の●●と申します。本日は、ご指摘品をいただきに参りました」と言うと良いでしょう。これでマナー的にも不足はありません。中には「名刺を出しなさい」と厳しく言われることもあるかと思います。

 そもそも、クレーム対応時の名刺には、営業の方個人のメールアドレスと携帯電話番号が記載されていないものを使うことが標準対応です。お客様相談室のメンバーはそのような名刺を用意することは周知徹底されていることなのですが、営業の方が、2タイプの名刺を用意していることはないでしょう。だから、苦し紛れに自分のメールアドレスや携帯電話番号が記載されている名刺を出すことをしているかもしれませんが、それはやめましょう。

 もしあなたの企業が、このような場面において「お客様の要望どおり、個人のメールアドレスや携帯電話番号が記載されている名刺を、お渡しして帰って来なさい」と指示するのであれば、それは、企業の『安全配慮義務』という法律を違反する可能性になることを知っておいてください。それ以前に、従業員を守ることができない企業に、お客様の気持ちに寄り添う対応ができることはありません。

 「名刺を置いて行きなさい!」と言われたら、お客様相談室の電話番号と対応時間が記載された『お客様相談室連絡先カード』を渡しながら、「お客様相談室から明日、連絡をさせます」と言うと良いでしょう。なぜならお客様も本気で、営業の方の名刺が欲しいわけではないからです。ちょっと、礼法的なことを言うと自分が、規律正しい人物のように見えて、相手が下て(したて)に出るだろうと無意識の中で予想をしているのです。

 ここで重要なのは、『お客様相談室連絡先カード』を作成し用意しておくことです。

 いつも言いますが、クレーム対応で大切なのは、『お客様のしてほしがっていることをする』ことではなく、『企業の担当者として、やらなければならないことをやり、やってはならないことをやらない』ことをしっかりと行うことです。そうすれば、最終的に世間からバッシングを受けたり、顔向けができない結果にはならないのです。企業の担当者のクレーム対応は、『感謝や思いやりや謝罪の気持ち』で解決するのではなく、『手順と知識とトークとツール(道具)』を使って解決するものなのです。

第7講 クレーム対応担当者が「申し訳ございません」を言うたびに、お客様はいらだつ前のページ

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