変化した対応のルール①
『担当者の個人情報を守る』《1部/5部作》
カスタマーハラスメント対策企業マニュアルが、2022年4月に厚労省から発信されて約3年がたち、たった3年の間に、企業がカスタマーハラスメント対策に積極的に取り組んだことで、企業のお客様対応の姿や、めざすものや、対応方法が変化しました。
あなたの会社は、そのこと気づいていますか?
というよりも、あなたの会社もその変化対応に取り組んでいますか?
改めて、認識しておきましょう。
1.従業員の名札に、個人名を記載するのはやめて、従業員NOや、ニックネームなどにしましょう。
消費者としてコンビニやスーパーマーケットの従業員の名札の変化に気づいていると思います。店員の名札に氏名が記載されていませんね。約10年前までは、従業員ひとりひとりが、ファン客を持ち、客数と客単価を上げることが、営業スキルの原点だったことがありました。そのためには、たくさんの消費者に自分の名前を憶えてもらうことが最初の作戦だったのです。なので、誰にでも、自分の氏名を開示し、氏名だけでなく、趣味や、家族構成や、血液型や出身地も、お客様が求めなくても積極的に開示していたのです。
そういえば、10年前くらいまでは、タクシーに乗ると、座席の目の前に、ドライバーの方のプロフイールが、貼り付けてあったりしましたね。今では、考えられないことです。
先日、あるリハビリクリニックの院長から相談を受けました。リハビリ病院なので、高齢者や体が不自由な方の運動や、マッサージを手伝うことが主な業務です。担当するのは、作業療法士の資格保持者たちです。彼らは、総じて年齢が若い者ばかりです。体力仕事ですから、その年齢性も必要なことではあります。ところで、クリニックとしては、若年の作業療法士と高齢の患者たちとの関係性を良くするためにも、また、新規客の来院動機を高めるためにも、彼らの写真付きで、氏名、年齢、出身地、趣味、仕事への心構えなどを記載した壁新聞のようなものを、院内に貼り出しています。彼ら個人個人の名札にも、氏名、年齢、血液型などを書いてあります。また、クリニックのホームページにも、顔写真と共に、彼ら個人個人の情報を記載したコンテンツがあります。
すべては、作業療法士に好感を持っていただくことが目的のものでしたが、ある日、ある作業療法士から、それらの開示をやめてほしいという希望が届きました。深刻な理由はないようでしたらから、そのうちにね、と考えていたのですが、この研修を聞いて、院長である私のその意識を変えなければならないのではと思いました。
とコメントがありました。
そうなのです。かつては、従業員の人間性をお客様に情報開示して、「おや、血液型がいっしょだね」「あら、出身地が同じね」とか、「珍しい漢字づかいの名前だね。誰につけてもらったの?」などとの会話が広がることが、企業の営業戦略でした。しかし、もう、そんな営業戦略は使えないのです。
まだ、その方法を1つの効果的な営業戦略だと信じて、実践している企業なのであれば、従業員の個人的な情報が、一時の付き合いの人に知れる、不特定多数の人に行き渡る『危険な職場環境』の代表なのです。私に、相談コメントをくれたクリニックの院長は、「まったく、そんなことを考えたことがなかった。すぐに、作業療法士の個人情報の開示を止めます」というお返事をくれました。
今の時代、そのようなことが、自分の会社の従業員を思っていることの現れとなるのです。お客様に好かれる企業になる前に、従業員が安心できる職場環境と労働条件にすることが、最優先の時代です。これこそが、カスハラ企業対策の原点です。
























