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第66講 クレーム対応のルールを間違って理解しているから失敗する(6) クレームの原因究明から再発防止は論理的対応で。

クレーム対応 実践マニュアル

クレーム対応のルールを間違って理解しているから失敗する(6)
クレームの原因究明から再発防止は論理的対応で。

(※秀和システム刊 『ポケット図解 クレーム対応のポイントがわかる本』より、一部抜粋と加筆)
 

【その1】クレーム対応は『製品やサービスの問題』と『お客様の事情』の両輪に対応する

『製品やサービスの問題』に対応して原因究明をし再発防止まで運ぶことを『論理的対応』と呼ぶ。
『論理的対応』はまずお客様からの情報を鵜呑みにせず『企業主導型3現主義』からスタートする。

「この表示はどういう意味で記載しているんですか?」「あなたの会社は、こういうものを販売していることをどう考えているんですか?」など、お客様はたくさんの不満を担当者になげかけます。その中にはその製品を選んだ理由、自分の使い方、製品の不具合の様子などをたくさんお話ししてくださいます。このようにたくさんお客様から情報をいただくことはとても大切なことです。しかし、担当者が注意しなければならないことは、そのお話しがすべて『正確』で『事実』だと思いこまないことです。お客様から情報は、自分が理解できる伝え方でしか伝えていないということや、無意識のうちに自分に有利な言い回しになっていることがありうる、企業側からしたら伝え忘れられては困る情報をお客様は言い忘れていたりします。

企業側に主導権を持って、3現主義を実行することから始める

ここで言いたいのは、例えお客様が製品についてたくさんお話しくださったとしても、そのお話しの事実を確定させるためにも『三現主義』を行うことです。つまり、お客様のお話しを鵜呑みにすることなく、『現品』『現象』『現実』(メーカーではないサービス業の場合は『現品』ではなく『現場』となる)をしっかりと確認をすることです。たとえお客様が「私の話を信じられないと言うのですか」や「今すぐ返事をしてほしい」と苛立ったようにおっしゃったとしても「正確なお返事をしたいからこそ、しっかりと調べることが必要だと思います」とお願いしましょう。



【その2】予想や推察で原因や今後の対応を伝えない。『論理的対応の手順』を誤まらない。

『事実の確認』と同時に『現状復帰』、次に原因究明。その結果、自社に問題があるのであれば『損害賠償(おわび)』と同時に『再発防止策』に取り組むという正しい手順で。
事実が確認できていないのにおわびや再発防止の約束をしない。

お客様は、興奮しながらたくさんの情報を話してくれますが、それがすべて事実だと鵜呑みにしてはいけません。たとえお客様から「製品はありません」「製品はあるけれど見せたくない」などと言われても、企業は『三現主義の事実の確認』から始めるのですから「まずは製品を確認させていただきたいと思います。それがかなわないようでしたら、今からの対応が進めることができませんので、ご理解をお願いいたします」と丁寧に伝えましょう。また「今、この電話でどういう対応をするのですか」と結論を求められることがあった場合は「まだなにも拝見していない状態では安易なお約束をしてしまってさらにご信頼を欠くことはできませんので、このお電話での結論は差し控えさせていただきたいと思います」と率直にお願いしましょう。

相手の苛立ちに誘導されて焦らない。急いだ結論は好ましい結果にはなりません。

お客様は無意識であったり作為的であったり実態はさまざまです。そして担当者に理不尽なことを言ったり、対応の手順を狂わせるようなことを言いますが、担当者として何が誠実な対応かをしっかりと認識していれば、お客様の苛立ちに翻弄されることが少なくなります。
企業の担当者はお客様に正確な対応をるためには必要な時間はいただかなければなりませんし、協力をしていただかなければならないこともあります。正確な対応のためには、お客様と担当者が手を組んで進めていかなければならないことをわかってもらいましょう。

中村友妃子          

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