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- 第50回 『ひらめき教室 ~「弱者」のための仕事論』 (共著:松井優征・ 佐藤オオキ)
ジャンルを問わず、いい仕事をする上で必要な能力は、
いくつかあります。
その1つが、ひらめく力です。
ひらめき、すなわち、
いかに、アイデアを思いつくか?
継続的に、ひらめき続けられるか?
とりわけ、経営者やリーダーたる立場の人にとって
重要な要素ですよね。
これから新年度を迎えるにあたり、
ひらめく力を強化するのに、ぴったりの一冊があります。
『ひらめき教室 ~「弱者」のための仕事論』
松井 優征 (著)、 佐藤 オオキ (著)
です。
松井優征氏は、累計2千万部を超える大ヒット作『暗殺教室』などで
知られる人気漫画家。
佐藤オオキ氏は、世界的に高い評価を集め、
400ものプロジェクトを同時に抱える売れっ子デザイナー。
そんな今をときめく二人ですが、実は大きな共通点があります。
それは、「自らの弱さ」を有効活用していることです。
"自分は特別な才能に恵まれていない"と認識しているからこそ、
自らを活かすために、勝つために一体どうしたらいいのかを
常に考えて実行しているとのこと。
両者の発想、行動は、まさに弱者の戦略でありながらも、
出している結果は圧倒的で、優に強者を超えるもの!
その理由が、二人の自然体の対談から、見えてきます。
・物語を始めることよりも、むしろ終わらせることを一番に考えている
・実用性についてリサーチをしたら、アイデアは絶対出てこない
・ものづくりに欠かせない「無」
・勝利の方程式を次の作品では捨てる
・目の前にチャンスは転がっていない
・超至近距離で物事を見る
・鼻をへし折られる環境へ向かおう
・仕事を楽しむために何をすべきか? …etc
大企業や大手と渡り合う中小企業の経営者、
天才やエリートと凌ぎを削る普通のビジネスマンらにとって、
この上ないほどのヒントや励みになると思います。
また、松井、佐藤両氏とも、自らが働くと同時に
人を使う立場のリーダーでもあります。
組織のマネジメントという点からも、見るべきものがあるはずです。
「自分の才能のなさ、弱点を一回認めた人は本当に強い」と語る二人。
力みがなく、柔らかい雰囲気もいいですね。
自分自身の進化、さらには組織やチーム活性化のためにも
ぜひ読んでみてください。
尚、本書を読むときに、おすすめの音楽は
『hichiriki ballad』(演奏:東儀秀樹)
です。
雅楽師・東儀秀樹氏が篳篥で奏でる世界の名曲。
ひらめきに必要なものが、ここにあります。
ぜひ合せてお楽しみください。
では、また次回。