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- 第51回 『SNS時代の文章術』 (著:野地秩嘉)
約3週間ほど、ロンドン、及び南仏を中心とした
フランスに滞在してきました。
現地での大きな楽しみの1つは、
やはり、新たな本との出会いです。
日本は世界に誇る、書籍文化の高い国です。
海外の翻訳作品もかなり充実していますが、
それでも、全ての本が日本にやってくるわけではありません。
売れた本であったり、有名な著者のものであったり、
何らかの縁があった、ごく一部だけが我々の目に触れる機会を得ます。
大半の本は、存在すら知らないまま終わるわけで、
それでは、あまりにもったいない。
特に、玄人ウケするような"隠れた名著"に出会いたいんですよね。
物語の筋とか内容以前に、
プロならではの文章の妙味を味わえるのは、
格別な嬉しさです。
もちろん、それは日本の本についても当てはまること。
この人の文章はいいな、と思える作家やライターに
めぐり合えることは、幸せの極みです。
ぼくにとって、そんな一人が、
ライターの野地秩嘉さん。
政治、ビジネス、食、芸術、芸能…
どんな内容であれ、
読んでみたい、と思わされてしまう魅力が
野地さんの文章にはあります。
今回紹介するのは、そんな野地さんの持ち味が詰まった
『SNS時代の文章術』
です。
フェイスブックを始めとするSNSは、
もはや単なるコミュニケーションツールを超えて、
ビジネスにも不可欠になりつつあります。
めったに書くこともない僕の元にすら、
フェイスブック経由で仕事の依頼が来ることも
珍しくないので、その重要さが増していることを
感じずにはいられません。
そして、SNS時代が進めば進むほど、
モノをいうのが、文章力!
ちょっとした書き方1つで、結果が変わります。
では、求められる文章力とは一体なにか?
本書では、プロの目から見た
SNS時代の文章の特徴や目指すところから、
文章が上手くなる方法、実践事例に至るまで
具体的に、わかりやすく書かれているのがポイント。
野地さんご自身の文章修業経験も載っていて、
非常に参考になります。
また当時取材に応じていなかった
あの元ビートルズのポール・マッカートニーに
一通の手紙を通じてインタビューを実現させた秘話も必見!
(しかも謝礼なし)
このSNS時代に、どこにどう目を付け、
どう文章力を伸ばしていけばいいか。
ぜひその真髄を身につけてください。
尚、本書を読むときに、おすすめの音楽は
『ビートルズ・イン・ピアノジャズ』(演奏:若井優也)
です。
ジャズ界のホープ、若井優也氏が奏でるビートルズの名曲。
既存の名曲をどう活かすかは、文章の書き方に通じる部分もあります。
ぜひ合せてお楽しみください。
では、また次回。