日本勢、未曽有のメダルラッシュに沸いたリオ五輪。
インタビューを見ていて感じたのは、
"準備の大切さ"を語る選手が増えたなぁ、ということです。
そして、準備といえば、やはりこの人。
今年、アメリカ大リーグで3,000本安打を達成したイチロー選手。
監督や他の選手らがイチロー選手のことを語る際に、
必ずといっていいほど出てくるのが"準備"という言葉です。
徹底した準備あっての好結果であり、
これから、さまざまな分野で一層準備が注目されていくように思います。
では、リーダーや経営者における準備とは、一体何か?
かの松下幸之助氏の名言
「会社を経営する上でも成功しようと思ったら、人間とは
こんなもんやという本質を知る、そこから出発しないといかん」
にもあるように、人の心を知ることなしには何も始まりません。
そこでオススメしたいのが、今回紹介する
『リーダーのための経営心理学』(著・藤田耕司)
です。
リーダーのための経営心理学 ―人を動かし導く50の心の性質/amazon
"経営心理学"というのは、あまり聞き慣れない言葉だと思いますが、
だからこそ一見の価値あり。
著者の藤田氏は、公認会計士・税理士でありながら、
心理カウンセラーの資格を持ち、心理学や脳科学にも精通。
経営コンサルタントとしても多くの社長を指導しています。
本書は
「経営やビジネスが人を動かし、導くものである以上、
人の心への理解を深めることこそが必要な準備」
との信念から、経営やビジネスで成果を上げるために欠かせない
"人の心の性質"に着目。
経営の現場で生まれた数々の成功体験や理論に基づいて編み出した
"現場で使える経営心理学"が50項目にわたって
具体的にまとめられているところが最大のポイントです。
その中で、
・「聞く」と「聴く」
・成長が早い人に見られる思考パターン
・公欲と私欲
・なぜリーダーはビジョンや目標を掲げる必要があるのか
・人を認めるための5つの方法
・数字の裏には人間ドラマと心の動きが存在する
・相手が気づいていない能力や長所に気づかせる
といったあたりに、とりわけ興味を抱きました。
また、著者は経営心理学を、会社や事業についてだけではなく、
「自分」を経営するのにも役立てることを意識しています。
自分自身を経営できる能力は、事業経営の能力と
基本的に比例する、とのこと。
ビジネスの現場で役立つ心理学を身につけることで
自分という素材を活かすと同時に、
組織活性化や大きな成果をも期待できそうです。
経営者やリーダーはもちろん、自らを経営することに興味がある人、
ぜひ読んでみてください。
尚、本書を読むときに、おすすめの音楽は
『Joy with Moomin-白夜のジャズ Midnight Sun』
です。
Joy with Moomin-白夜のジャズ Midnight Sun(Jazz Compilation)/amazonへ
かわいいムーミンの表紙からは想像できない、
フィンランドの凄腕ミュージシャンによる骨太かつ、深みあるジャズアルバム。
骨太な本書とも、相性ばっちりです。
ぜひご一緒にどうぞ。
では、また次回。