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社長業

Vol.122 2008年・注目のベトナム3大都市  視察レポート 4

作間信司の経営無形庵(けいえいむぎょうあん)

 前回、「信頼できる日本人人脈」というキーワードで終わったが、これはどこでも聞く大切な項目だ。
 
 今回の視察ツアーでも、実は随分多くの方にご援助いただき視察先や、現地での訪問、人的交流をさせていただいた。特にK氏には、企画段階から日本に戻ってまでもお世話いただき人脈の広さ、面倒見のよさに、参加された方々もファン急増と、いったところだ。
 
 最終日には、まとめセミナーとして、K氏に3時間みっちりレクチャーをしていただいたが
 
「良いワイロと悪いワイロ」
 
の話は、ここでは詳しく話せないが納得するものであった。現地で人脈を作る際には、心得ておかなければならない実務であり、リトマス試験紙である。

 
 もう一点、感心したことは「その国の長い歴史をしっかり読み込んで」「自分なりの史観」をもって仕事に向かうことである。そうしなければ民族的な理解や商習慣、宗教に至るまで、どうしても表面的なことで終わってしまい、しっかり現地に根を張ることができないものだと。
 
 我々一行も、そのために「クチのトンネル」に観光を兼ねて視察に行った。行かれた方も多いと思うがベトナム戦争当時の地下基地(総延長250キロ)の跡が残っており「世界最強のアメリカ軍を撃破したベトコン」の戦いを、ほんの少し体感できる。
 
 近代兵器に、北側の支援があったとはいえ、ほぼ手作りの武器で戦った様子が再現されており、ベトナム人の粘り強さや、智恵、工夫、器用さを垣間見るようであった。
 
 
 それでも、いざ進出となると、中堅企業といえどもリスクは大きい。特に初期投資のかかる業種では決断しづらい。
 
 野村證券が開発している「ハイフォン工業団地」にも、おなじみの貸し工場がある。今回視察はしなかったが、同団地内にある日本香堂のベトナム工場も、最初、貸し工場でスタートし軌道に乗ったところで本格的に工場投資に踏み切ったと伺った。
 
 ホーチミンでは、工場だけではなく事務所の進出、仮事務所、輸出入代行、データエントリー、工場リースを行っておられるVIE-PAN社(松田氏)を訪ね、お話を伺うとともに、コンピュータCAD設計の小規模事務所、組立工場などを見せていただいた。
 
 タントアン輸出加工区にあり中心街からも決して遠くはない。ワンスットプサービスを活用することは人材や経験など、ないないづくしのなかで進出を考えなければならない企業にとっては有効な手段だ。
 
 同社も1997年から稼動しているが、横浜にあるSL社のW社長がすでに10年近く事務代行を依頼し続けている。信頼できるW社長の紹介だから我々も安心して視察に行けた。
 
 後は「現地で責任者として頑張る本人が、現地を好きか?」「現地の人が好きか?」と、どんなに好きになっても「自律できるか?」にかかっている。自立のための自律である。
 
 
 
 アオザイ姿は、本当にきれいに見える。歓楽街以外では、今では高校生くらいまでしかお目にかかれないが。
 
 
 (ベトナムレポート終わり)

 

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