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経済・株式・資産

第54回「リーマンショックから4年半余、長期分散投資を再考すると」

会社と社長のための資産管理講座

情報通信革命と経済のグローバル化の結果、金融市場に影響を及ぼす出来事が増えている。主要プレーヤーである先進国や新興国経済の変調だけでなく、中東やアフリカ情勢と核開発問題や自然災害などを見れば、世界のどこが火を噴いても不思議はない。

これまでリスク軽減のために長期分散投資が幅広く採用されてきたが、「大きな市場変動の前には長期分散投資も無力では」と懐疑的な人もいないではない。リーマンショックから早4年半余。長期分散投資が今後も有効であり続けるために、「長期投資」と「分散投資」の意味を今一度考えてみよう。

先ず、「長期投資」とは長期的に保有を続ける「Buy&Hold戦略」だけではなく、「長期にわたって運用を続ける」という考えも持つべきだ。G8という少数先進国が世界を牽引する時代からG20という多極化時代になり、市場の波乱要因は広範かつ多岐に及ぶ。多少変動はあるが「長期安定成長」を見込める時代から、「市場波乱や変動が常態」になれば、投資戦略も自ずと変わるはず。日頃から市場観察して、目標達成時には利益確定し、定期的なリバランスを確実に実行しなければ成果は得られない。

次に「分散投資」は、先進国の停滞と新興国の勃興を見れば「国際分散」が不可欠だが、国際部分に傾斜し過ぎて過大なリスクを取らない注意も必要。「金融資産の分散先」には、企業年金も代替資産投資を採用する時代になったが、コモディティ(金、原油など)・不動産・インフラ関連への代替投資は全体の7%程度に過ぎない。「コア・サテライト戦略」も上手に取入れ、大きくバランスを崩す失敗を防がねばならない。

さらに、「購入時期の分散」について過去の失敗の教訓が活かされているだろうか。今後も『波乱が常態』の市場環境を考慮すると、運用を急いで失敗したら、これを取り返すことは至難の業。ドルコスト平均法などの分割購入法を取入れて平均取得単価を引下げることが、今後の激動期には特に有効な方法であることを再認識しよう。

2013年2月、安倍政権が掲げる政策「アベノミクス」効果で、日経平均株価は約2年9カ月ぶりの高値にある。景気回復への期待を先行する形だが、構造改革が着実に進み、期待が現実になるのかどうか見極める姿勢が大切だ。

                                                           以上

 

 

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