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第81回「逆風が吹けば吹くほど強くなるニトリのすごさ」ニトリホールディングス

深読み企業分析


 新型コロナの逆風が吹く中、4月6日にニトリホールディングス(9843)が2020年2月期決算を公表し、決算説明会を開催した。
 
2020年2月期決算は5.6%増収、6.6%営業増益と33期連続の増収増益を達成した。同社は20日締めであるので、前期決算に関しては新型コロナの影響はそれほど受けているわけではないが、今期予想も1.7%増収、4.4%営業増益と34期連続の増収増益を見込んでいる。しかも、これはコロナの影響がどこまで大きくなるか読めない中で、かなり慎重に立てた予想で、足許の状況は上振れているということである。
 
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会社側が今期業績に関して強気な背景の第1点は為替である。同社は製品の80-90%を海外で調達するため、為替の影響が大きい。それに対して、すでに今期の為替予約は104円弱で通期分を完了しているとのこと。まず同社のすごい点は、為替予約の機動性である。この半年ほどを見た場合、対ドルで円は109-110円を中心に推移していたが、3月のほんのわずかな期間100円に急接近した時があった。その瞬間に年間の必要分である2,000億円強を調達したということである。
 
前期自体も8月の円高局面において105円半ばで下期分を手当てしており、結果的に前期の平均為替レートは107.5円となり、今期は104円見込みで、その分だけでも80億円の増益要因と述べている。営業利益の増益予想額は47億円であるから、すでに為替だけで増益分をカバーしてしまうことになる。その結果、経営の政策の選択余地が大きく広がることになる。
 
今期の既存店の前提は上期にはコロナの影響で3.8%減、下期は回復して1.0%増で、通期で1.4%減としている。しかし、すでに終わった3月の既存店は10.9%増となっている。もっとも3月は2月21日から3月20日であるが、うるう日で1日多く、日祝日も2日多い。その結果実質の伸び率は2.5%増ではあるが、業績に10.9%増がフルに寄与するものである。
 
仮に各月の売上が同水準として単純計算すれば、上期の残りの5カ月の既存店は6.7%のマイナスとなる。しかし、会社側によると、思ったより顧客の来店が多いということ。ショッピングセンターに入っている店舗は20%ほど落ちているが、大半を占めるフリースタンディングの店舗は顧客数が増えており、顧客単価も増加している模様である。
 
これだけの大事件が起こり、しかもフォローの風が吹いているドラッグストアや食品スーパーとも異なる状況下で、これだけ余裕の態度を見せつけられたことで、改めて同社の強さを再認識した次第である。
 
有賀の眼
 
しかも、同社では世の中が厳しいときほど投資のチャンスということで、向こう2-3年は強気の投資を行う姿勢さえ示している。2012年以降の円安という同社にとっての大ピンチをチャンスととらえ、その間にさらにライバルに差をつけた。今回はコロナ禍という大ピンチを潜り抜けることで、さらに我が国の小売市場において、より一層巨大な存在となる可能性を感じさせるものである。
 
さらに、こんな時期に同社では全くの新規ビジネスである女性向けのファッションにも進出する。現時点では実験店舗であるが、前年度に4店舗、今期も6店舗を出店し、来期からは二ケタの新規出店増を目論んでいる。同社によれば、我が国には女性向けのトップ+ボトムのコーディネート商品がないということで、トータルで4,000円から8,000円で進出する。他のどんな企業が新規に進出してもとてもうまくいくとは思えないが、同社であれば成し遂げてしまうような感じを抱くものである。
 
 
 

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