※本コラムは2023年10月の繁栄への着眼点を掲載したものです。
日本経営合理化協会の「こだわり」とは何か。日本経営合理化協会の名の通り理に合った骨太の経営論であったり、「中小企業のために」と特化した実務であったり、そのときそのときの時流に合致したものをいち早く提供したり。それらは勿論言うまでもない。
それ以外にしいて言うなら、お客様との距離感である。それはセミナーに参加された方ならなんとなくご理解いただけるのではないか。牟田 學から事業を継承した二代目であり、自身も組織を持って経営をしているので他のコンサルタントとは立ち位置が少し違う。むしろ皆さんに近い。そういった理由から悩みも同じであるし親しみやすさもあるのかもしれない。
来られるお客様はいろんな社長会を形成している。受付周りには親しいお客様同士の輪が出来たりもする。その空間が我が社の「こだわり」である。
皆さんが親から子へ引き継ぐ「こだわり」とは何だろうか。変えるべきものと変えてはいけないもの、本業と新事業、既存商品と新商品、オンラインとオフライン、組織規模…何かしらあるだろう。
「成長拡大戦略と安定戦略」とは、ずっと言い続けているが、「成長拡大」をどう捉えるかは会社によって違う。京都の山ばな平八茶屋は、440年の歴史を持つ老舗の料亭で唯一無二の店舗である。決して店舗展開をしてはいけない。そこに食べに行くことが全てで、どうやってお客様に来ていただくか、また繰り返し繰り返し繰り返し来ていただくかが永遠の課題だ。
日本経営合理化協会は、牟田 學の時代から「人をむやみに増やさず、少数精鋭でずっとやっていく」ことを決めている。人を増やせば、その人たちを食べさせるために商品を増やし売り上げを上げていかなければならない。そうすれば商品の粗製乱造が始まり、一商品あたりのクオリティが下がってしまう恐れも出てくる。そうなれば信用にかかわる。
そうであっても平八茶屋も日本経営合理化協会も、オンライン・オフラインなどお客様へのアプローチなどを時代に合わせて進化していかなくてはいけない。それが我々の成長拡大である。
「こだわり」というものは強いモノである。ときには、受け継ぐ前、受け継いだ後に親子でぶつかることもあるかもしれない。何処の会社でも大なり小なりあることだ。親子でコミュニケーションをとって解消していく外ない。
「太陽さんは上手く継承をやりましたね」などと最近言われるが、そんなことはない。成功したなどとは思っていない。オーナー社長業は、次代を育てて初めて成功と言えるのではないか。自分の代だけでは50点。次代を育てて初めて及第点である。
「会社は一代で繁栄することもあるし、一代で滅ぶこともある」それほど厳しいものである。強い強い「事業へのこだわり」を絶えることなく伝承していかなくてはいけない。
※本コラムは2023年10月の繁栄への着眼点を掲載したものです。