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戦略・戦術

第197話 自己資本を考える

強い会社を築く ビジネス・クリニック

 日産自動車は自己資本(有利子負債)の少なさを批判されている!

 

 種々業界がコロナ禍に直撃されています。日本のGDPの10%を占める基幹産業の自動車業界において、日産は今期6712億円の純損失を計上し、

「日産一社がダメだ!」 と批判されています。

 

 カルロス・ゴーン氏に責任を被せているようにも見えますが、決してそうではなく日本経済新聞においても、その財務脆弱性があまりにも酷いと指摘されているのです。

 

 各社の負担比率を表していますが、

負債の規模         自己資本(剰余金) (億円)

(対自己資本,倍)

  トヨタ      1.0             5兆6974

  ホンダ    0.9      2兆6732

  日産     1.9      1兆6429

  マツダ    0.5       5689

  スズキ    0.3       6043

  スバル    0.1       5589

  三菱     0.4       3996

 

 

 負債の規模とは 銀行の計算するギアリング比率です。「有利子負債  ÷  自己資本」で表します。

 

 借金が自己資本の何倍あるのかの指摘です。日産は、飛びぬけて借金体質であることを表しています。1.9倍、自己資本総額の2倍近くの借金を抱えているのです。他の会社は1.0を超えていません!    

 

 トヨタは 自己資本総額、有利子負債があるのです。(トヨタ銀行などと言われ無借金だと思っている人がいますが,トヨタも大借金を抱えています)

 

 いずれの会社も倒産しても迷惑をかけませんが、日産は倒産でもすれば銀行に火の粉が降りかかります。

 

 よって、トヨタの借入金の1つの社債の利回りは0.5%ですが、日産は3月末には0.3%であったものが5月には4倍の1.2%以上に金利率が上がっています。

 

 日産は、これから大規模な構造改革に乗り出すでしょうが、何をしようと思ってもお金をどう自分たちの力で儲けて、キャッシュフローをよくするのか、総資産を切り売りして調達するのでしょうか?

 

 自己資本が少ない、自己資本比率が低いということが財務が脆弱と言われる所以です。外部から財務が脆弱と言われると資金調達は難しくなり、条件が悪くなるのです。

 

 皆様の会社の財務力はどうなのですか?収益性・利益性は大切ですが 、益がよくても財務知識のない方はここが解っていないのです。

 

 自己資本比率を高めるには、次の9項目を常に維持することです。そうすれば自己資本比率はよくなり、銀行がわが社を見る目が変わります

① 回収を早くする。 

売掛金、サイトを短くきっちり回収する社内ルールの確立。もしくは現金売上を増やす。「回収は早く、支払いは遅く」京セラ稲盛氏の言葉です。何しろコツコツと努力するのです。

 

② 在庫を多くしない。

棚卸を頻繁に行い、不良在庫を消すシステム化を進め、回転率を高める。やろうと決意して、毎日毎日、努力すれば5年で変わります。

 

③ 機械設備を早く償却する。

早めの償却、即時償却、30%優遇償却、特損出し、下請け、協力会社の協力を得て実現

 

④ 利益処分を考える。

配当しない、配当は商品券や物で。役員賞与を出さず、経費の中で処理をする

 

⑤ リースを一考する。(金利交渉を強くやる)

 

⑥ 銀行借入は、中途でも返済する。融資残を少なくする。

 

⑦ 当座借越契約を結ぶ。必要な時に必要なだけ借り、余ればすぐに返済する

 

⑧現預金残は、月商分以下とする。剰余金は安全有価証券(利回りを)で運用する

 

⑨資本金は1億円以下とする。1億円を超える資本金は減資を行い、剰余金の中へ組み入れる(中小企業の特典を活かす)

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