私が、セルフサービスのガソリンスタンドを利用したのは12年前ぐらいになるでしょうか。オーストラリアでレンタカーを借りて旅した時のことでした。
その時「日本にはなぜセルフがないのでしょうか?」と思いました。オーストラリアのわかりにくい会話が出来えずとも給油は簡単でしたし、支払いはキャッシャーの処にいけば済みました。
この質問をSS(ガソリンスタンド)の経営者にぶつけました。当時の答えは
「消防法があって許可されないのです」
「なぜですか?」
「火災の問題です」
「日本ってSSスタンドでタバコを吸っても構わないのは消防法から言っておかしいと思いません?」
「・・・・・」
今から確か9年前ぐらいに日本でもセルフサービスのガソリンスタンドが許可になったのです。私はSSの経営者に問いました。
「なぜセルフサービスのお店をお作りにならないのですか」
「今の処ではスペースが足らない。地下タンクも大きいものに変えなくてはならない」
「広い土地が要ります」
「新たに大きい投資資金が要ります」
「ガソリンスタンドは全く 儲からない」
「過当競争が激しく元売が大会社で仕入金額が決まっている」
何か新しい事をされては! 「たたんで」「削って」「変えろ!」と申しても多くの反論が返って来る。
北海道帯広が本社であるオカモトの岡本謙一社長に、私が塾長を務める後継社長塾でお話をしていただいた。北海道東北に30数店舗、この10年の間にセルフサービスのSSを急速に展開されている注目の企業です。
私は旧来のSS経営者が抱く、「儲からない商売でどうして儲かるのか」という疑問を投げかけてみた。
「1リットル売って4円か5円しか利幅がない商売でなぜ経営がやっていけるのですか?」答えはこうなんです。
・ 従来のSSの売上が1とするならばセルフ大型店では売上が4倍
から10倍になります
・ なぜ売上が上がるかは365日、24時間営業だからです
・ 人件費は1人のみ、夜間はガードマン外部委託なんです
・ すべてカード決済、現金取引になります
・ 会員カード、ポイントカード等前金でもあり先進のシステムを
導入しています
・ 給料前の金のない時でも5L、10Lと好きなだけ、気にせず入れら
れます
とのことです。ではなぜ伝統ある既存の経営者はされないのでしょうか。
・ 土地は購入しないといけないものとの考え方が固まっている、
借地方式の考えがない
・ 立地条件が一番、郊外へ出る事と従来より3倍の土地が要る
・ 既存の処を売却する、辞める、これが考えつかない
・ 従来からの借金が多く一つも減らしていない、財務内容が悪い
につきるのである。過去の成功体験、業界の古い考え方から
一歩も出られないのである。
長い間の私の疑問がもう一つあり、投げかけた。
世界の5指に入るビッグカンパニーの「エクソンモービルの日本法人はなぜ有限会社なのですか? 郵便住所は戸塚郵便局の私書箱38号なのですか?」答えは「すべていかに安くつくか、運営コストをいかに安くするか、正社員は5名しかいない。例えば給与計算等の事務はマレーシアで行っている」との答えが返ってきた。「限りなく経費はゼロに近づける」の発想であるとの事です。
井上式経営は何でしょうか。
・ 回転主義
・ 人に頼らずシステムを開発し、それに頼る
・ 現金主義
・ 小売販売業は1に立地、2に立地、3、4がなくて5に立地。
東北、北海道では昨年人口が20万人減少したといわれています。本州の1つの市がなくなったようなものです。だから売上が落ちて当たり前と言い訳に使っている。どうなんでしょうか。そんな発想では・・・・・・