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戦略・戦術

第16話 「長期固定金利の誘惑」

強い会社を築く ビジネス・クリニック

  私は、直近の講演で15年間続いたデフレモードは終わりを告げ、すでにニュートラルにギアは入っており、一部インフレモードに入りつつあると申し上げてい る。
 
 中小企業も、この方向に対処せよと申し上げているのだ。
 
 石油関連による値上げや鉄鋼、食材の基礎原材料をはじめとする素材関連の値上がり、不動産等も大都市では値上げで物件費も上昇してい る。
 
 中小企業経営者の経営対処策は、講演会などでも、散々お話しているので、ここでは割愛させていだだきたい。
 
 昨今、次のような話が書籍や講演会で語られているようだ。
 
 長期固定で金融機関より目一杯借りて
 
 ・ 日本の不動産
 
 ・ 日本の株式、アメリカの株式
 
 ・ 外貨建ての商品
 
 をお買いになったらインフレ時代に必ず儲かる、とおっしゃっている。
 
 政治家と官僚がこのデフレ不況を克服すべく830兆円というとてつもない国の借金を作ってしまった。本当にすごい財政危機であ る。
 
 このままだとハイパーインフレが起きる、発生する。2年前、1年前には、今年にそれが来ると予言されていた評論家も過去にいらっしゃっ た。
 
 今、また権威ある学者先生が国の借金はハイパーインフレで解消するしかない! よって、上記の方法で儲けよとおっしゃっている。
 
 私は、国際金融マン出身でもなければ経済学者ではない。しかし、中小企業の経営コンサルタントである。だから、 会社の幹部である読者諸君が間違っても企業で、借りられるからといって目一杯長期固定金利で資金を調達し、
 
 ・ 不動産
 
 ・ 日本やアメリカの株
 
 ・ 外貨建ての商品…など
 
 を買わないでくださいと申し上げたい。
 
 理由は、
 
 1.借金というのは支払金利だけではなく元金を返してゆくもの。
  元金の返済計画もなしに金を借りる事はしてはならない
 
 2.まして不動産(土地・建物)は、減価償却がなくキャッシュフローが出てこない。建物は55年等長い償却期間が必要で、借入金の返済原資が 出てこない
 
 3.不動産を仕入れて売却してしまうのは不動産業の方々の仕事で、我々には本業があるはず。借入金は本業のための投資、利益を出して返済をし てゆくもの
 
 4.株式投資した方のほとんどは毎日証券市場の株価の動向に一喜一憂して本業の仕事に身が入らず本業をダメにす る
 

 浮利は追わず。
 
 自分の住む自宅。企業にとって、どうしても自社所有しなくてはならない不動産、設備投資に借入金を発生させるのは当然の経営者の取るべき方 策。
 
 インフレが来るかも知れないが、大借金してまで上記のモノを手に入れるべきではない。為替や株式は予想して当てられそうで、当てられないもの である。
 
 これを専門職にしている為替ディラーや証券マンならいざ知らずプロの世界へアマチュアが大借金して入ってはならない。
 
 また、インフレの影響で自社所有地で長年に渡り商売をしてきた中小企業者に、等価交換で貸ビルマンションを建てませんかとの話が多く来てい る。
 
 建設業も、新たなるビジネス企画を出してきている。何の負担やリスクなくビルが建ち、そこへ土地相当分のスペースがもらえるとの 話。
 
 確かに新しい建物での商売は、成功の甘い夢を見させてくれる。
 
 しかし、従来から残っている借金は減らず、固定費は上がり、転居中の運転資金もバカにならず、減るはずの借金がかえって増大す る。
 
 どうか、明確な投資計画、資金計画、返済計画を自らが作り(業者の数値を鵜呑みにするな)専門家の意見を聞いていただきたい。

 

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