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Appropriate(ふさわしい・最適)2
「米大統領選に見るイメージ戦略」-

最高の自分を表現する 成功イメージ戦略

「イメージのインパクト」

11月4日には米国の大統領選が行われました。
まさにイメージコンサルティング/イメージコンサルタントという仕事や存在が世に知られるようになった
大きなきっかけともなった、アメリカの運命を決める行事です。
今回の米大統領選の為のTV討論会や、さまざまな地方での遊説を目にするにつけ、やはり「アピアランスとは
計り知れないイメージのインパクトを見ているものに与えている」と実感する場面があります。

第一回目のTV討論会をライブで見ていた私は、両大統領候補に対極のものを見ました。
それは見ている(聞いている)人を惹きつけるイメージの違い。
メラビアンの法則にある「話の内容はたったの7パーセント」をこれほど実感するものはありませんでした。

 

ネクタイ(色彩)のインパクト

例によって、両候補とも赤を取り入れたネクタイで登場しました。
オバマ氏は深い赤の遠目には無地のように見えるタイ。
対するマケイン氏は薄い色と赤が比較的細めのストライプになったタイ。

ダークスキンで黒髪のオバマ氏には深い色がバランスよく見え、非常にライトスキンで白髪のマケイン氏には、
重々しくなりすぎない色合いの方が御自身をよく見せるという点では、双方さすがに計画されていたのでしょう。
そして、お互いにバッティングしないようにという計らい以上に、どれだけ相手との違いを出すか?
という点で戦略を練っていたであろうことも想像されます。

男性の装いの中で、最も色彩を取り入れることができるネクタイ。
これをどのように選ぶかが、そのイメージやインパクトをご自身が相手に伝えたいメッセージとして発信できるか?に
大きく影響を及ぼします。
特に、この第一回TV討論会という多くの人が注目する場においては、どれだけ次期大統領候補としてふさわしい
イメージを刻み込むことができるのかが勝負のポイント。

ネクタイ及び色彩のインパクトにおける私の見解は次のようなものです。
オバマ氏は、比較的無難な装いではありましたが、対する候補との年齢差を踏まえ落ち着きと精悍さを表すための
イメージは成功していたように思われます。
そしてマケイン氏は、TVに登場する際の細めなストライプは、モアレ(電子柄)がTV画面上に出てしまうかもしれない
ことを含めて考えるとかなり大胆な賭けだったように受け取れました。
小紋柄や幾何学模様では、若々しい勢いが表現できなかったのかもしれず、ぎりぎりのラインであるあのネクタイを
着用されたのでしょうが・・・。
モアレは出なったとして、そしてあのネクタイが実際に見れば非常に素敵なものであったとしても、
TVでしか目にすることのない私にはアメリカによくある「赤と白のネジリ飴」にしか見えなかったことには
変わりありませんでした。これもイメージ。
ほかに連想させてしまうものがあるそんなインパクトを与えるのは善し悪しという例なのではないでしょうか。

 

ポスチャー/ジェスチャー/話し方

私が最も注目したのは、
「装うということ、そしてイメージというのは、着ているものだけではなく振る舞いである」という点です。
上記のネクタイ(色彩)で、無難な線で落ち着いた候補となんとも不思議なインパクトを(私に)与えた候補。
ここにその人の動きのインパクトが加わり、よりその人のエネルギーが見て取れるイメージが伝わってくると、
受け側での様々な結果としての印象が刻まれます。

TV討論会での最大の目的は、TVを見ている候補者に向かってどれだけ御自分が大統領候補としてふさわしく、
パワーのある存在であるか?アメリカをより良くすることのできる存在であるか?をアピールし、
そのイメージを刻みつけることです。

このポスチャー/ジェスチャー/話し方において、オバマ氏は非常に視聴者を引き付けたのではないかと思います。
常にスマートで明快な話し方、伝わりやすいスピーチをするのに定評がありますが、それに加え、
TV画面に向かって話すことにより、視聴者の一人一人に訴えかけることに成功していました。
そして、話しながらの手のジェスチャーもはっきりと、話に抑揚をつけるかのように的確に取り入れられており、
魅せる話し方とはこのようなことをいうのだと思わせるほど。
片やマケイン氏は、TVカメラ目線ではなく、司会者の方を向いた話し方がずっとTVからは見られ、話している際の
抑揚も少なく、ジェスチャーもご自分の前にある演台から手振りが少し見えるくらい。
耳で受けるスピーチのインパクトも目から受けるスピーチの迫力も残念ながら伝わらず、聞いている最中に
何度も眠くなってしまいました。と言えばお分かりかと思われますが、
抑揚のない話し方とジェスチャーだったということなのです。

 

今回の大統領候補お二人は、さまざまな意味で極端にタイプが違うこともあり、常に比較をされてきてしまって
いますが、もともとどちらを好み好まないは含めない、外国人である私の目線における第一回TV討論会を
ノンバーバルイメージの観点から分析してみると、大きなポイントとして上記のようなことが最終的な明暗を
分けることにつながるのではないかと思われました。

装い、振る舞いの戦略といいますが、やはりそれは一朝一夕で身に付くものでもなく、その人の思想や価値観、
教養、個性といった内面的な部分が大きく影響を及ぼし、その行動につながりその物を選び、その発言があるのです。
人は第一印象で分かるもの。それは美醜ではなく、価値観の共有。その価値観をそれだけうまく相手に伝えるか?が
その人らしさを伝えるスピーチによる伝達能力。イメージというものの大きな影響力を改めて考えさせられます。

これはアメリカ大統領選だけの話ではなく、企業のトップ、経営者の方にも同様です。
どれだけ御自分がトップとしてふさわしく、周囲から選ばれ信用される存在であるのか?
それは「常日頃からのイメージにあり」と言っても過言ではありません。

特別な場面のことではなく、ご自分が御自分の立場にふさわしい「装い」「振る舞い」
それを伝える気持ちと行動がとれているかを、さまざまな角度から振り返ってご覧になってみてください。
新たな発見があるかもしれません。

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