menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

人事・労務

第31話 法定労働時間と所定労働時間を考える

「賃金の誤解」

 企業において、月例給与計算の根拠となる就労時間を把握する場合、法定労働時間と所定労働時間の2つの概念があることは皆さんご存知のとおりですが、念のため確認しておきましょう。
 
①法定労働時間 は、労働基準法に定められており、その第32条第1項により週に40時間まで、同条第2項により1日8時間までと定められています。
 この場合の1週とは、就業規則その他に別段の定めが無い限り、日曜日から土曜日までをいい、1日とは午前0時から午後12時までの暦日を意味します。
 
②所定労働時間 とは、労働者と使用者の間に交わされた労働契約上の就労時間のことです。つまり就業規則に記載された始業時刻から終業時刻までの時間から休憩時間を差し引いた就労時間のことです。
 
(勤務時間および休憩)
第12条 1日の正規の就業時間は、実働7時間45分とし、始業、就業および休憩の時刻は、次のとおりとする。
     始 業    8時30分
     終 業   17時15分
     休 憩   12時00分より13時00分
 
 所定労働時間と法定労働時間がともに8時間である場合は問題ないのですが、上記のように就業規則に定められた一日の就労時間が法定時間より15分短い実働7時間45分だとして、1月の就労が21日とすれば、所定労働時間は法定時間より月にして5時間15分ほど短いと計算できます。この所定時間を超え、法定時間までの労務があれば、その時間は法定時間内残業です。
 
 労基法では法定労働時間を超える超過勤務がある場合には2割5分以上の割り増し賃金を支払わなければならない(第37条第1項)と定めています。
 
 この会社の場合、就業規則で定めた所定労働時間に加えて20時間ほどの残業勤務があるとすれば、20時間分について時間外勤務手当を支給しなければなりません。ただし、法定時間内残業に相当する労務がその月5時間あったとすれば、時給で計算した金額の手当加算は必要ですが、法定時間を超える超過勤務ではありませんから、2割5分以上の割り増し賃金は不要となります。
 
 法定時間内の残業と法定時間外残業を区別して計算するのはわずらわしいから、単純に25%増しで計算して時間外手当を支払う方が一般的かもしれません。しかし少しでも無駄を省きたいのであれば、それぞれを正しく計算し、少しでもコストを下げるといった選択肢もありではないでしょうか。

 

第30話 2011年・年末賞与はどのように決めるか前のページ

第32話 若い実力社員を登用する時の取扱い次のページ

JMCAおすすめ商品・サービスopen_in_new

関連記事

  1. 第60話 超過勤務の割増賃金には手当も含まれます

  2. 第101話 有効求人倍率は1.52倍となりました

  3. 第82話 春闘集中回答 先行きの不透明感を投影

最新の経営コラム

  1. 「展示会の見せ方・次の見どころ」(2026年6月)

  2. 第56講 カスタマーハランスメント対策の実務策㊸
    『これを棄てろっていうことか!』第3部

  3. Vol. 8 コーヒーの街が、抹茶を選んだ理由 ― お疲れニューヨーカーの現実(前編)

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. 戦略・戦術

    第54回 『台北、ソウルに見る、世界は便利に向かう、生産性を考えない会社はつぶれ...
  2. 人間学・古典

    第40講 「言志四録その40」書は妄りに読むべからず。熟するところありて可なり。...
  3. 製造業

    第177号 「ナゼ?」を繰り返す改善効果
  4. 経済・株式・資産

    第52話 「政冷経温」―2014年日中関係を読むキーワード―
  5. 税務・会計

    第114回 経理DXの障壁になっているのは何か?
keyboard_arrow_up