企業が継続するために、最も大切なモノは何ですか?と、よく聞かれます。
もちろんたくさんの要素がありますが、あえて1つだけと、言われれば「人」と、答えています。人がいないと企業が組織として継続しないですし、その他の経営の3資源である、「モノ」「お金」は、人がいればまだ、何とか出来ると思うのです。
その大切な、「人」ですがそれに関して、「継続の法則」CDの第3巻でお話させていただいていますが、そこには、「採用」→「教育」→「評価制度」ということをお話しましたが、それ以外に、辞めない条件として「未来への安心感」というのがあるのです。
人は、今に生きやすいですが、それでも、3年後、5年後、10年後がどうなっているのか?というのは気になりますし、会社が「この会社は10年後も守ってくれそうだ」というと今を地道に頑張れるようです。これが、安心感になり、「安心感」は組織力を作るようになるようです。
では、「安心感」は何から生まれるのか?特に日本人は農耕文化なので安心感は「未来への安心」というのが気になり、「未来への安心は生活の保障」から生まれるようなのです。その生活の保障は、「衣食住」であり、そこを保障すると安心感は芽生えるようです。食べること、住むことが可能であれば、不安はぐっと減るということだと思うのです。
その観点で、各国を見ると、安心感が、不平不満を高まることを抑え、各国工夫をしているようです。国の施策は、リーダーの施策として、企業トップの判断方法として勉強にもなります。
不平不満を抱かず、安心できる要点として、一番の「住」をみてみると、例えば、シンガポールは、HDB(HDBとはHOUSING & DEVELOPMENT BOARD)という日本でいう公団があり住宅の85%が、HDBだそうです。そして、シンガポールの国民の約90%は持ち家だそうで、私が思う感覚では、東京のど真んなかに、100平方メートルのマンションを2000万円~3000万円で買えたらすごく満足という感じではないでしょうか?住宅をどうするか?これは、国が考えるべきことかもしれませんが、それを待っていては、企業に人が来なくなる可能性もあります。日本は、昔、僕がいた自動車会社では、全従業員分社宅があったり、住宅の確保はすごく安心感になるようです。
企業でも、ちゃんと給料出しているのだから、あとは自分で考えるべきというスタンスではなくて、将来の安心感をどうするか?を考えると良いように思うのです。
もう一つ、不満がたまらずに、やると良いのは「衣食住」+「移動」で、「移動」のしやすさ、移動する楽しさは、不平不満がたまりにくいようです。
その観点で、各国を見るとこれも面白くシンガポールは、通勤時間の地下鉄の混雑緩和のために
●平日午前7時45分までに到着:無料
●午前7時45分~8時に到着:50セント割引き。
●通常運賃は、83セント~1ドル95セント(約66円~155円)。
と、工夫をしているようです
タイでは、バスの設定が面白く
●エアコン付きのバスは、最低10バーツ~
●エアコン無しは、6.5バーツ~
●そして、バスの10%は、無料にする
という決まりがあり、どんな人も移動しやすくしているのが、面白い施策と思うのです。
移動がしやすいと、人間は閉じ込められている感覚もなくなり鬱憤もたまりにくいようです。だからこそ、企業でも、社員旅行や褒賞旅行は有効なのかもしれません。その反面、考えていないと先ごろ起こった、ブラジルでのデモ(ワールドカップブラジル大会への抗議)のように不平不満が貯まるのかもしれません。
企業は、働くところですが、その前提は、組織人の生活のためが大前提で、その上にやりたいこと、勉強したいことがあるように思います。経営者は、「衣食住」+「移動」をどうすると良いか?これを考えてみるのもたまには良いのではと思います。