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第3回(スローフードのファストフードがジレンマを解消する)「八十八楽」

「社長の繁盛トレンド通信」

◆ひとくち茶漬け 八十八楽◆


スローフードスタイルのファストフードが、"ジレンマ"を解消する

 


 
『ひとくち茶漬け』は銀座2店、
 
洒落た店内。NYのスシバーをイメージした
大手町1店。写真は銀座コリドー店
   




食材にこだわったお茶漬けは、茶碗半分サイズ。
30種用意し"選べる楽しさ"を提供
 

 
 食材や料理を見つめ直し、じっくりと時間をかけて、本当の食を楽しむ――。

スローフードが日本でも浸透しつつある。
特定地域でしかとれない「ブランド食材」人気や、洒落たカフェでヘルシーなランチを食べる
「カフェ飯」ブームも、その一端といえるだろう。

 周知の通り、スローフードは10年以上前に、伝統や文化を侵食する、
アメリカ文化の代表「ファストフード」のアンチテーゼとして、イタリアの田舎町で生まれた。



 昨今、この考え方が、急速に普及してきた背景にあるのは、
IT化によって生まれたスピード社会、そして厳しい競争社会だろう。
世知辛く、時間に追われる今の時代、「ゆとりや豊かさが欲しい」というニーズも高まってきたわけだ。


  とはいえ「時間に追われている」のだから、スローフードを実践するのは容易ではない。
ゆっくり食事するには忙し過ぎるうえ、長引く不況で可処分所得は減る一方。
その上人件費のかさむスローフードは相対的に価格が高くなる。
「スローフードには賛同するができれば食事は早く気軽に済ませたい…」と考える人も多いわけだ。


 そんな人々のジレンマをすくって成功しているのが、一昨年東京銀座に銀座本店をオープンし、
今では都内に2支店を持つ『ひとくち茶漬け・八十八楽(こめらく)』だ。


 同店は文字通り、茶碗半分ほどの「ひとくちサイズのお茶漬け」を出す茶漬け専門店。

 300円の「梅干し茶漬け」から1500円の「キャビア茶漬け」「フォアグラ茶漬け」まで、
メニューは30種。お茶漬けのダシは『かつお』と『とんこつ』の二種類を用意している。


 使っているのは全てブランド食材。
長ナスは仙台産、シャケは函館産と産地にこだわる。
また15坪の店内は白壁と木壁組み合わせた洒落た内装で、ボサノバが流れる落ち着いた雰囲気だ。
そのため、夜になれば、ゆったりと酒と茶漬けを楽しむ女性グループが多い。



 一方で、茶漬けといえば、日本が誇るファストフードだ。作るのも食べるのも早く済む。
そのため、日中は営業途中のビジネスマンが、2杯3杯とお茶漬けをかきこんでいく…。

 つまり、同店は、スローフードの長所とファーストフードの長所を併せ持った
ユニークな飲食店となっているわけだ。
その結果、多様化した現代人のニーズに幅広く対応できた現在、
3店合計の売上げは月1500万円に及ぶという。


  オーナー梅澤英行氏(31歳)は、店のターゲットを「自分と同じ世代、感覚の人。
『安かろう悪かろう』を卒業し『少し高くても良いモノを』とこだわりはじめた人たちだ」という。
具体的には「料亭に興味はあるけど、まだ行けない」と考える人々。
そうした人々に向け、料亭で最後に出るようなお茶漬けをピックアップして提供している、という。


 梅澤オーナーの世代、つまり「団塊ジュニア」と呼ばれる1970年~75年生まれの人々が
30歳を超えてきた。
まさに先述した"ジレンマ"を抱える年齢になっていたわけだ。

 「スローフードスタイルのファストフード」に限らず、
人々が抱えるジレンマを解消するビジネスモデルは他にもあるはずだ。
そこには、まだまだ大きなビジネスチャンスが眠っている。
(カデナクリエイト/箱田高樹)

◆社長の繁盛トレンドデータ◆
『ひとくち茶漬け 八十八楽』 銀座本店

東京都中央区銀座8-6-11新和ビル1F

TEL:03-3574-1776  最寄り駅 新橋駅より徒歩3分

http://www.komeraku.com/

 
 
 
 

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