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人間学・古典

第23講 「言志四録その23」
孔子を学ぶ者は、孔子の志を以て志と為すべし。

先人の名句名言の教え 東洋思想に学ぶ経営学

【意味】
孔子の学問(儒学)を学ぼうとすれば、孔子の志を自分の志にしなければならな い。


【解説】
孔子 (BC551~479)は、ご承知のとおり春秋時代の中国の思想家です。
儒家の始祖で釈迦・キリストと共に世界の三聖人に数えられています。
 
前漢時代の歴史書「史記」(司馬遷著)によりますと、幼くして両親を亡くし、
孤児として育ち、苦学して礼学を修めたとされています。
人生の大部分は無冠の一学者に過ぎなかったようですが、司馬遷が
「功績は王に値する」と評価したことから、孔子の評価 が高まったようです。
孔子の功績は、それまでのシャーマニズムのような原始思想を体系化し、
根本義を「仁」とする一つの道徳思想に昇華させたことです。


そんな苦労人の孔子が、自分の生涯について

  「吾、十有五にして学に志し(志学)、三十にして立ち (而立)、四十にして迷わず(不惑)、五十にして天命を知る(知命)。
  六十にして耳に順い、七十にして心の欲する所に従いて矩をこえず(従心)」

と述べ、 年齢を重ねるにしたがって、自己を完成していく過程を明らかにしています。


現代流に解釈すれば、次のとおりです。

  志学(しがく)とは、義務教育の上に更に自主的に学問を志すこと
  而立(じりつ)とは、自分の生きていく方向を見つけること
  不惑(ふわく)とは、自分の生き方を確信し右往左往しないこと
  知命(ちめい)とは、天から与えられた自分の命の使い方(使命)を知ること
  耳順(じじゅん)とは、気に食わないことが耳に入っても怒らないこと
  従心(しょうしん)とは、自分の思う行動が自然と倫理道徳の道にかなうこと


兎角年代別の呼称を覚えるだけで満足しがちですが、
10年ごとの年代相応の品性鍛錬に挑んでいることに注目しなければなりません。

一般的に「人生は、経験を積まないと判らない」といわれます。
この意見は正しい一面もありますが、孔子の説く10年単位の人生鍛錬論からすれば、
怠惰な人生を送った人の言い訳でしかありません。
なぜならば、赤子の体が次第に大人の体になるように、心の面でも年代ごとに成長を促し、
その年代に相応しい人物器量を備えなければならないからです。


またできれば、孔子のいう50歳の知命ではなく、もう少し気力体力が充実した40歳までに知りたいものです。
我々現代人は、独力で天命を掴んだ孔子と違って様々な文献から「天命とは如何なるものか?」
を伺い知ることができますから、のんびりしていて はいけません。

孔子の生涯は、当時としては稀な73歳という長命でした。
一説によりますと188cmの大男で あったという記述もあります。
人柄の方は、論語に記載されている門人の評があります。

  「温にしてはげし、威ありて猛(たけ)からず。恭にして安し」

温厚でありながら厳しく、威厳があり重厚であるが荒々しくなく、
恭しく(礼儀にか ない丁寧な態度)ありながら安らかで楽しそうであるとの評です。
小器量の人物は、不平不満や喜怒哀楽のたびに心をオーバーフローさせ、直ぐに態度に表わします。
心の主人公は自分ですから、周りの状況に振り回されることなく清濁併せ呑む余裕の器量を磨きたいものです。

 

杉山巌海

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