◆大江戸温泉物語◆ ターゲットを絞ることで、逆に多様な客を集める |
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資産と時間に余裕があるシニア層の増加とともに、シニア市場に進出する企業が増えてきた。 美容、衣料、健康、旅行、教育…。シニアを狙った商品やサービスは多様な分野に広がっている。 今年の3月、臨海副都心に誕生した『大江戸温泉物語』は、 シニアをメインターゲットにしたテーマパークだ。 3万平米の敷地内に、大名屋敷のようなデザイン の建物が建っており、 その中には、吉原や深川や東海道53次をイメージした町並みが広がっている。 それぞれの町には、露天風呂、内風呂、足湯、岩盤風呂と いった多様な風呂や、 寿司屋、蕎麦屋、居酒屋など江戸情緒たっぷりの飲食店が揃っている。 入場券を買った客は、まず、大店「越後屋」で、「八百屋お七」「堀部安兵衛」 「お江戸百景富士」など19種類の絵柄の浴衣から好きなものを借りる。 客が全員、浴衣姿になるので、江戸の気分が一層盛り上がるわけだ。 シニアを対象にすればチャチなまがい物は通じない。 内装には宮大工の手を借り、テナント店舗は厳選した。 こんな場所なら、シニアでなくとも行きたくなる。 実際、『大江戸温泉物語』には、若者、カップル、ファミリー客をはじめあらゆる層が入場していた。 このテーマパークは、さらに、営業時間を朝の11時から翌朝の9時まで伸ばすことで、 あらゆる人を取り込もうとしている。 平日の昼間は中高年の女性客、夜間は、国際展示場「東京ビックサイト」帰りの客や、 周辺企業の宴会需要、深夜はトラック運転手の仮眠所、 早朝は深夜バスでのディズニーシーからの帰り客といった具合だ。 シニアをターゲットに絞ることで、「江戸」と「温泉」という普遍的なコンセプトを生み出し、 逆に多様な客を集めることに成功した『大江戸温泉物語』のやり方は、客層を広げたいと考える あらゆる業界の参考になるはずだ。 (カデナクリエイト/竹内三保子) ◆社長の繁盛トレンドデータ ◆ 『大江戸温泉物語』 東京都江東区青海2-57 TEL:03-5500-1126 最寄り駅 テレコムセンター駅より徒歩2分 (東京テレポート、新橋などから無料シャトルバスも出ている) http://www.ooedoonsen.jp/ |