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税務・会計

第21回 コロナ禍で変わる「税務調査」

賢い社長の「経理財務の見どころ・勘どころ・ツッコミどころ」

 
コロナ禍によって変わったことのひとつに税務調査があります。
 
会社の規模によって、調査の周期や調査官の人数、実地調査の日数は異なります。
中小企業であれば、3~5年の周期で、1~3人の調査官によって、2日~1週間の実地調査を受けるのが一般的でした。
それがコロナ禍によって、税務調査の状況が大きく変わりました。
今回は、ウィズコロナ時代の税務調査についてお伝えします。
 
これまでの税務調査では、何人の調査官が何日間来ましたか?
 
 
●コロナ禍で減った税務調査の件数
新型コロナウイルス感染拡大防止のために、税務当局は実地での税務調査を減らしています。
特に「緊急事態宣言」が出ている地域では、税務調査を一時的に停止しています。
 
2020年4月に1回目の「緊急事態宣言」が発動されたときは、その後、9月までの約半年間、税務調査は実施されませんでした。
2020年10月から税務調査は再開されていますが、例年に比べて件数は大幅に減る傾向にあります。
 
また税務調査を行う際には、政府が掲げる「新しい生活様式」に基づく感染防止策を徹底することになっています。
調査前に「検温」や「手洗い(手指消毒)の徹底」などを実施し、調査時には以下の感染防止策を実施することが発表されています。
「マスク着用の徹底(納税者等にも協力を依頼)」
「一定の距離を保ち、会話の際、可能な限り真正面を避ける」
「窓や扉を開け、定期的に換気」
「職員の人数や滞在する時間を可能な限り最小限にする」
 
御社が最後に税務調査を受けたのはいつですか?
 
 
●コロナ禍で税務調査の対応が難しいときの対応
税務署から調査の連絡があっても、会社によっては、経理社員がテレワークや在宅勤務で出社していない場合があります。
仕事では接客や訪問営業などを自粛しているのに、税務調査だからといって長時間にわたり社外の人の訪問を受け入れるのは心配です。
 
新型コロナウイルスが感染拡大するなかで、税務調査を受けられる体制が準備できない場合には、その旨を税務署側に伝えます。
会社からの申し出により、状況を考慮して税務署側も調査の時期や時間を調整してくれます。
 
経理社員の対応が困難な場合には、顧問の税理士のみが立ち会うことも可能です。
会社内に長時間の社員以外の立ち入りが難しい状況であれば、貸し会議室や税理士事務所の会議室で税務調査を受けることもできます。
 
コロナ禍においては、状況に応じて税務署側も会社側も協力しながら対応していく必要があるでしょう。
 
次回の税務調査はどこで誰が対応しますか?
 
 
●「ウィズコロナ」で税務調査も変わっていく
新型コロナウイルスと共存しながら経済活動が行われる、いわゆるウィズコロナの状況においては、税務調査のやり方も変わっていきます。
以前のように、数日間にわたり会社の会議室に3年分の会計帳簿や、伝票、請求書、領収書綴りを広げて、調査官と社長、経理社員、顧問税理士が税務判断の議論をする光景は少なくなるでしょう。
 
いままでの税務調査は、締め切った狭い会議室に、複数人が閉じこもり、近距離で正面を向き合い口論する、まさに「3密(密閉、密集、密接)」状態でした。
これを朝から夕方まで、数日にわたりやっていました。
もしこの中に感染者が含まれていれば感染が拡大していくことでしょう。
 
これからの税務調査では、「3密」の回避が必須です。
 
・必要な資料は、調査官が税務署に持ち帰って調査する。
・疑問点については、文書または電話等で質疑応答する。
・必要な場合のみ、短時間、かつ少人数に限定して話し合う。
 
こういった対応が模索されていくことでしょう。
 
社長は、税務調査に何時間くらい立ち会っていますか?
 
 
●効率化が進む「アフターコロナ」の税務調査
税務当局側も新しい税務調査のやり方を考えています。
具体的には、会社の預金取引については、税務署から銀行へオンラインで照会できるようになっていきます。
 
2022年1月からは、会社の会計帳簿の電子保存が認められるようになります。
数年後の税務調査では、調査官が紙の帳簿や伝票を、手でめくりながら調べるのではなく、電子データでの提出が求められることでしょう。
 
さらに、請求書や領収書の電子化が進めば、取引関係の書類がクラウド上に保存されるようになっていきます。
これまでのように請求書綴りを1枚ずつ探して調べなくても、インターネットにアクセスすれば簡単に検索できるようになるのです。
取引相手に対する反面調査も短時間で行えることが想像できます。
 
調査官が税務署にいながら、リモートで税務調査することが可能になります。
帳簿や取引の電子化によって、コンピュータでの会計データと取引明細との突合や整合性の検証が可能になります。
その結果として、効率的な税務調査を実現しようとしていることは明らかです。
 
社長としては「ウィズコロナ」だけでなく「アフターコロナ」の税務調査も視野に入れておきたいところです。
今後の税務調査の動向について、近いうちに顧問税理士に確認しておいてください。
 
次の税務調査について、顧問税理士と話をしていますか?
 
 
[参考]
「国税庁における新型コロナウイルス感染症の感染防止策について」(令和2年9月)

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