決算時にまとめてインボイス対応するのは大変
免税事業者への支払いについては、税抜き経理における会計処理にあたり、経過措置の処理方式が次の2通り考えられます。
(例)2023年10月に免税事業者の喫茶店で1,100円支払い(80%仕入税額控除)
1つ目が、取引時に仕入税額控除の控除割合を計算して処理する場合の会計仕訳です。
(借方)会議費 1,020 /(貸方) 現金 1,100
仮払消費税等 80
会計ソフトのインボイス対応版で適正に会計仕訳の入力操作をすれば、インボイス導入時点から取引時に消費税が正確に計算され完結します。
それに対してもう一つが、取引時はこれまでどおり課税仕入れで処理して、決算時に調整するやり方です。
<取引時>
(借方)会議費 1,000 /(貸方) 現金 1,100
仮払消費税等 100
<決算時>
(借方)会議費 20 /(貸方)仮払消費税等 20
インボイス制度導入までに会計ソフトの対応が間に合わなかった場合は、このように取引時においてはこれまで通り課税仕入れとして処理することになり、決算の時に免税取引を拾い出して、まとめて振替修正をすることになります。
ただでさえ忙しい決算時に、該当する請求書や領収書を探し出して見直し修正処理をするのは、経理にとって非常に面倒なことです。
また、決算になって経費の金額が修正されるため、社長としては月次決算で把握していた業績数値と決算数値が乖離して混乱することが予測されます。
経理が日常の会計処理や決算処理をスムーズに行うために、また社長が経営判断を間違えないためにも、インボイス制度導入前に会計ソフトのインボイス対応版の会計処理の設定をしっかりしておきましょう
会計ソフトのバージョンアップをしただけで準備を終えた気になっていませんか?