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税務・会計

第30回 問題が起きる前にやっておきたい「経理とのコミュニケーション不足解消・3つのコツ」

賢い社長の「経理財務の見どころ・勘どころ・ツッコミどころ」

コロナ禍でテレワーク・在宅勤務が普及して、仕事をする場所や時間が多様化しつつあります。その一方で、社内でのコミュニケーション不足が問題になるケースも増えています。働き方の変化に合わせて、社員のマネジメントの仕方とコミュニケーションの取り方が見直されています。
企業の経理部門においても、コミュニケーション不足によって業務に問題が生じることがあります。経理社員に必要な情報が行き渡らないと、業績や資金繰りの管理に支障をきたすことがあるのです。
そこで今回は、「経理社員と経営情報を適切に共有するためのコミュニケーションの取り方・3つのコツ」を説明します。

御社の経理社員はコミュニケーション不足に陥っていませんか?

 


コツ① 社長は経理に言葉で伝える

 どこの会社でも毎月最低1回は、社長と経理は業績や資金繰りについて話をしています。月次の試算表や資金繰り表などの資料を見ながら話をするので、情報共有ができているとお互いに感じています。
 しかし社長と経理とのあいだでは、コミュニケーションにギャップが生じていることがよくあるのです。例えば、社長が新しい設備の購入の話を進めているのを経理が知らずに資金が足りなくなってしまうようなことがおきます。
社長「業者からの見積書を経理でも見ていると思っていた」
経理「その件は初めて聞きました」
 ほかにも、社長が業績の数字を把握していなかったために、赤字額が大きくなってしまうような場合もあります。
社長「おかしいと思ったら、早く対応するように指摘してほしかった」
経理「月次資料の数字を見ればわかると思っていました」
 似たようなことが御社でも起きていないでしょうか。
 月次報告の際に、社長から経理に対して「今後の設備投資の予定」や「予算項目の修正点」などを繰り返し話すようにします。毎月の財務資料に目を通すだけでなく、社長が経営状態を言葉にして自分なりに評価し、気になる数字を経理に伝えることにより、経理社員も経営者の考えを理解できるようになっていきます。社長と経理が対話しながら相互に確認したり、質問したりするだけで、簡単に情報認識のズレを補うことができるのです。

社長が経理に言い忘れている事はないですか?

 

コツ② 経理には「社内での情報収集」を行わせる

 経理社員はほぼ丸一日、机に座ってパソコンで仕事をしています。ほかの部門との連絡は、メールや電話で済んでしまいます。便利になったせいで、経理社員は現場へ行かなくなってしまいました。
 実際の取引は、現場に足を運んで現物を見ながら、担当者と話をしないとわからないことがたくさんあります。毎月、月次の数字がまとまったら、経理社員に数字の実態を現場で検証させるようにしましょう。
 営業部門に行って、販売実績と今後の売り上げ見込みを確認し、売掛金の回収状況に問題がないかを営業社員にヒアリングしてもらいます。購買部門や製造部門に足を運び、仕入れの数字と突き合わせながら、実物の在庫と照らし合わせます。
 毎月定例的に、経理社員が帳簿の数字を現場で確認するようになると、会計上の数字に実態感が伴なってきます。現場部門に行って取引の実態を理解するようになると、財務の問題も現場で共有できるようになります。業績改善のための経費削減や資金繰り改善のための在庫調整など、経理側からの依頼にも、日頃からコミュニケーションをとっていると現場も協力してくれます。

御社の経理社員は、現場に行っていますか?

 

コツ③ 銀行、会計事務所との打ち合わせに経理を同席させる

 社長が銀行や会計事務所と打ち合わせをするときには、できるだけ経理社員も同席させるようにします。
 銀行や会計事務所が社長と話をするときには、どうしても金融経済情勢や業界・地域動向など、社長の関心が高い会社の外の話が多くなりがちです。また、社長が銀行や会計事務所に話をするときは、うまくいっている事業の話や、成長が見込まれる新商品やサービスの話をしたがるものです。
 それに対して、経理社員は会社の中(資金、利益、税金)のことが心配です。その場に経理社員がいれば、社長が聞きづらいことも、経理社員から聞くことができます。社長が席を外した後で、経理社員から事業の失敗や、損失の発生など、社長が言いづらい話をして相談に乗ってもらうこともできます。
 経理社員からマイナスの情報を事実に基づいた数字で説明すると、銀行や会計事務所からの実務レベルでの助言が可能となります。自社の財務状態の問題点を具体的な数字に落とし込んで、銀行や会計事務所と共有することにより、具体的な選択肢が広がっていくのです。

「社長はソトヅラがいい」と言われたことはないですか?

 

経理社員と数字情報を共有すると、財務管理の質が向上する

 経理社員とのコミュニケーション不足から起こる問題とその対処法について説明しました。
 社員は与えられた情報の範囲でしか仕事ができません。経理社員は会計情報だけでなく、経営情報を社長から教わり、取引実態の情報を他部門から得て、社外からの専門的な情報も得ることで、仕事の幅が広がっていきます。
 最近では対面でリアルに話をする機会が失われつつありますが、Zoom等でオンライン会議が簡単にできるようになりました。中小企業でもオンライン会議などを積極的に取り入れて、経理社員が経営会議に参加したり、現場部門と対話する機会を増やすことをお勧めします。
 なお、経理社員のほうから、自主的に現場に足を運んだり銀行との打ち合わせに同席したいと言いだすことは難しいので、社長から業務命令として促してください。仕事としてコミュニケーションの場を増やすと経理社員の仕事のレベルが上がり、財務管理の質が向上していくことをお約束します。

御社の経理社員は、どの相手とコミュニケーションが不足していますか?

 

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